『教場0』新垣結衣の再登場で核心に迫る最終回へ 風間の指導後の隼田の成長とは

『教場0』新垣結衣が再びバディに復帰

 いよいよ風間公親(木村拓哉)の右目を奪った十崎(森山未來)の事件の核心に迫ろうとしている『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)。最終回は15分拡大で放送される。事件の真相とともに注目を集めるのは、第3話〜第4話で風間が指導した新人刑事・隼田聖子(新垣結衣)の再登場だろう。

 個性溢れる新人刑事と風間の関係は、この重厚な物語に彩りを与えてきた。それぞれの新人刑事が抱える苦悩、刑事または人としての未熟さ、対峙して乗り越えようとする強い心は我々視聴者の心をも動かした。さらに風間が新人刑事を指導する様子を通して作品が描いたのは指導者としての在り方、自分の心にある弱さとの向き合い方、打ち勝つ方法、組織の中で期待され、駆け上がるためのチャンスの掴み方。『風間公親-教場0-』は、人が生きていく中でいつかは向き合わなくてはならない本質を描き続けてきた。風間が事件を通して伝えていることは、新人刑事に限らず誰にとっても生きる上で重要なことなのだ。

 加えて、指導される立場の人間の在り方というものも伺い知ることができる。自己判断が招く事故の恐ろしさ、やる気や想いとスキルのバランスが取れないもどかしさ、優しさが仇となるシチュエーションがあること、愛に溺れることの惨さなど、挙げたらキリがないほどの学びがあった。こうしたシーンはそれぞれの新人刑事の物語と結びつきながら、着実に作品の根幹に敷かれた“千枚通し”の事件へと視聴者の心を導いていく。つまりは1話完結で描かれる物語と作品全体を通して大きな軸となるエピソードの絡め方が見事なのである。

 そんな作品だからこそ、描かれるキャラクターも非常に魅力的だ。第1話~第2話で描かれた瓜原潤史(赤楚衛二)を筆頭に、鐘羅路子(白石麻衣)、中込兼児(染谷将太)の再登場を期待する視聴者も多いのではないだろうか。その中で隼田聖子は既に再登場が明らかになっているキャラクターだ。新垣が演じる隼田は、自分の子供が父親から虐待されていたことを見て見ぬふりをしてきたことに負い目を感じているシングルマザーの刑事という役どころ。家庭と仕事の両立、子供との向き合い方などに課題を感じながらも、風間の指導で心の中の問題と向き合い、その後千枚通しの事件の専従捜査チームに自らが志願した。

 やはりここで注目したいのは、風間の指導を受けた後の新人刑事がどう成長しているのかという点だろう。隼田においても、頼もしくなった姿を見ることができるのか、そして「風間道場」での立場とは違った形で風間と接することで、隼田自身がどんな表情を見せてくれるのかが期待される。実は遠野章宏(北村匠海)の前に風間が指導した新人刑事もまた、隼田なのである。遠野の一件の前後で、隼田に対する風間の心情の違いをどう描いていくのか。そういった視点からも、改めて新垣結衣と木村拓哉の芝居がどんな化学反応を見せてくれるのかを楽しみにしたい。

■放送情報
フジテレビ開局65周年特別企画『風間公親-教場0-』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:木村拓哉、赤楚衛二、新垣結衣、北村匠海、白石麻衣、染谷将太ほか
原作:長岡弘樹『教場0 刑事指導官・風間公親』『教場X 刑事指導官・風間公親』(小学館)
脚本:君塚良一
演出・プロデュース:中江功
プロデュース:渡辺恒也、宋ハナ
音楽:佐藤直紀
主題歌:Uru「心得」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kyojo0/
公式Twitter:@kazamakyojo
公式Instagram:@kazamakyojo

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