『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は完璧な映画化 宮下兼史鷹が高橋一生の“声”を絶賛

宮下兼史鷹、映画『岸辺露伴』を絶賛

『ジョジョ』第4部を連続ドラマ化してほしい

ーー今回も岸辺露伴を見事に演じ切った高橋一生さんはどうでしたか?

宮下:高橋一生さんについては、僕の母親が毎回誇らしく言ってくることがあるので、ここで言わせてもらいますが(笑)、高橋さんが若い時にドラマ『相棒』Season4(テレビ朝日系)に出ていたんですよ。猟奇的な殺人鬼を小日向文世さんが演じていて、それに憧れてしまった精神科医役を高橋さんが演じていました。そのときからうちの母親が大好きで、「何この人めちゃくちゃかっこいい、雰囲気あって大好きだわ」って言っていたから、僕も高橋一生さんの名前をその時に覚えたんです。その後大ブレイクしましたが、母親がいつもマウントを取ってくるんです。私は高橋さんの魅力にいち早く気づいていたよって(笑)。

ーー(笑)。宮下さんの思う、高橋さんの魅力は何ですか?

宮下:声がすごく良いですよね。音の波みたいなものを研究したら何か出てきそうな感じがするんです。ちょっと震えている感じというか。それが耳にすごく入ってきやすいし、彼のセリフをとても聞きたくなるんです。役者として最高の声の持ち主だと思います。岸辺露伴を演じているときは普段と少し声色を変えているところもカッコいいですし、あの変な髪型が似合うこと自体、高橋さんのポテンシャルの高さを物語っていますよね。彼の演じてきた役はいくつか見てきましたが、岸辺露伴がやはり一番カッコよく見えます。あとは、頼り甲斐があるんですよね。変な人だけど、この人なら解決してくれるんじゃないかなという妙な説得力があるのも、高橋さんが演じているからこそだと思います。本当に魅力的な役者さんですよね。

ーー『岸辺露伴』シリーズの魅力を語っていただきましたが、『ジョジョの奇妙な冒険』の原作コミックについてもお聞かせください。ズバリ、何部が好きですか?

宮下: 第3部の『スターダストクルセイダース』が一番面白いって言われるくらい、人気が高いですよね。僕は、第3部でいうと主人公の空条承太郎も好きだけど、準ラスボスとして登場した、DIOの側近のヴァニラ・アイスというキャラがめちゃくちゃ好きです。DIOを崇拝している限り、永遠に二番手な奴ではありますが、あのタイミングで承太郎たちと戦わなかったら、DIOすら上回っているんじゃないかなっていうくらい能力がかなり強いんです。クリームというスタンドで、相手を暗黒空間に入れてバラバラにする能力なので、もはや無敵なんですよ。まあちょっと驕りもあったので彼は負けてしまいましたが、もう少し時間をかけてあの能力をものにしていたら最強になっていたんじゃないかなって。僕は「実は最強なんじゃないかな」ってキャラが好きなんです。

ーーヴァニラ・アイスは強いですよね。岸辺露伴が登場する第4部はどうですか?

宮下: 第4部『ダイヤモンドは砕けない』もすごく面白いです。『ジョジョ』シリーズの中で、一番“身近”なんですよね。杜王町という日本の街が舞台になっているので、普段の暮らしの中で何かおかしなことが起きているのに対して、「これは何だろう」と解決していくストーリーになっているんです。『岸辺露伴』もそうですが、第4部が実写化したときに一番面白いタイプのシリーズなんじゃないかなと思います。暮らしの中で起こる怪奇現象というのは、引きがあるんですよね。そういう意味では第4部も好きですが、第5部も好きなんだよなぁ(笑)。第5部はギャングの話で、「偉大なる死(ザ・グレイトフル・デッド)」の回がめちゃくちゃ面白いと思っています。この回は、舞台が電車の車内という密室なのがいいんですよ。アガサ・クリスティとか、列車内を舞台にしたミステリードラマって結構多いじゃないですか。僕はその“列車ミステリー”ジャンルの中で、この「ザ・グレイトフル・デッド」の回が一番面白いと思っています。老化させられておじいさんになってしまうという能力への絶望感がすごいですよね。考えるだけでも、「ああこれは確かに勝てないかも」って思う。他のバトル漫画にはなかなか出てこない能力ですよ。でも、「考えたらめちゃくちゃ強いな、それ」っていうのが『ジョジョ』のスタンド能力の魅力でもあると思います。

ーー第4部は一度実写映画化されていましたが……。

宮下:やはり『ジョジョ』を実写化するってどこを汲み取って作るのかが難しいものですよ。全部面白いので。なので連続ドラマでやってほしいですね。NHKさん、今度は第4部の実写ドラマ化もお願いします!

■公開情報
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
全国公開中
出演:高橋一生、飯豊まりえ、長尾謙杜、安藤政信、美波、木村文乃
原作:荒木飛呂彦『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(集英社 ウルトラジャンプ愛蔵版コミックス 刊)
監督:渡辺一貴
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
人物デザイン監修・衣装デザイン:柘植伊佐夫
配給:アスミック・エース
制作プロダクション:アスミック・エース、NHKエンタープライズ、P.I.C.S.
製作:『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』 製作委員会
©2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 ©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
公式サイト:kishiberohan-movie.asmik-ace.co.jp

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