『だが、情熱はある』森本慎太郎の感情に共感 南キャンとオードリーの対比が胸に刺さる

『だが、情熱はある』森本慎太郎に共感

 成功している人は、必ず努力をしている。だけど、努力の量が成功率に比例するわけじゃないからむずかしい。“これだけ頑張ったら夢が叶いますよ”とか、努力が数値化されたらいいのに……と思った経験はないだろうか。

 自分よりも努力していないはずなのに、自分よりも不幸な境遇にいるはずなのに、なぜかキラキラしている“あの子”を見ると、モヤッとしてしまう。『だが、情熱はある』(日本テレビ系)の山里亮太(森本慎太郎)が抱く感情には、ちょっぴり(というかだいぶ)共感してしまった。

 だけど、私たちはふだん、嫉妬とか嫉みとか、不平不満だとか、そういったネガティブな感情を封印して生きている。山里のように、モロ出しできる人間はなかなかいないだろう。たとえば、身近な人の成功に焦る気持ちがあったとしても、「本当によかったよ」なんて祝福をするふりをする。少なくとも私は、大人になるってそういうことだと思って生きてきた。

 だから、山里とは対極にいるはずなのに、彼の気持ちが痛いほどよく分かるのはなぜだろう。相方のしずちゃん(富田望生)の方が先に売れていくことへの戸惑い。「自分が南海キャンディーズのネタを書いているのに、どうして?」という怒り。芸人じゃない私は、同じ経験をしたことがないはずなのに、なぜか「こういう気持ち、味わったことあるな……」なんて懐かしい気持ちになった。

 ただ、山里のしずちゃんへの嫌がらせは、さすが度を超えているものもある。有名なものだと、“フラガール事件”。しずちゃんに舞い込んだ映画オファーを、山里が潰そうとしたエピソードは、さまざまなところで語られている。のちに、その映画がきっかけで、運命の人と出会うことも知らずに……。山里自身も、「フラガール事件はやるか……アレ嫌われるんだよなぁ…」と明かしてたこの事件。もちろん、本編でもしっかり描かれていた。

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