『だが、情熱はある』森本慎太郎の感情に共感 南キャンとオードリーの対比が胸に刺さる

『だが、情熱はある』森本慎太郎に共感

 そんな第8話で改めて感じたのが、森本慎太郎の地頭の良さ。第4話のコラムで、「森本が演じることで(もちろんイラっとはするのだけれど)、一生懸命すぎるがゆえに空回ってしまう愛らしさのようなものを見つけることができる」と書いたことがあるが、これは彼の計算だったのかもしれない。

『だが、情熱はある』は中毒性のある不思議なドラマ “コンビ”という不思議な関係を知る

お笑い芸人における“コンビ”というのは、なんだか不思議な関係だなぁと思う。“家族”なんてたとえるのは、ちょっぴり照れ臭い。でも、…

 NSC在籍中の山里もかなり“ヤバいやつ”だったけれど、南海キャンディーズがデビューしたあとは、性格の悪さが度を超していく。だから森本は、序盤で憎たらしさを出しきらずに、若干の愛らしさを残していたのだろうか。森本が、憎たらしさの配分を的確にしてくれたおかげで、第8話では思う存分山里にイラッとすることができた。

 その一方で、ナイスミドルからの改名を果たしたオードリーは、売れていないはずなのになぜか幸せそう。若林正恭(髙橋海人)も、どこか肩の力が抜けているように見える。売れたいのは、当たり前。売れなくて苦しいのは当たり前だけど、そのなかでどう“幸せ”を見つけていくか。売れているのに幸せじゃなさそうな南海キャンディーズと、売れていないのに幸せなオードリーの対比は、胸に刺さるものがあった。

 そして、第8話のエンディングでは、King & Princeが歌う主題歌「なにもの」が初解禁された。なにものでもなくたって、夢を描こうーー。まだ“なにもの”でもないオードリー、そして山里亮太の心に寄り添い、光を灯す優しい楽曲になっていた。若林と山里による異色のコンビ・たりないふたりが、伝説を残したように、SixTONESとKing & Princeが組むことで生まれる化学反応に期待したい。

■放送情報
日曜ドラマ『だが、情熱はある』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:髙橋海人(King & Prince)、森本慎太郎(SixTONES)、戸塚純貴、富田望生、三宅弘城、池津祥子、ヒコロヒー、渋谷凪咲(NMB48)、中田青渚、箭内夢菜、森本晋太郎(トンツカタン)、加賀翔(かが屋)、賀屋壮也(かが屋)、藤井隆、坂井真紀、白石加代子、光石研、薬師丸ひろ子
脚本:今井太郎
演出:狩山俊輔、伊藤彰記
プロデューサー:河野英裕、長田宙、阿利極
チーフプロデューサー:石尾純
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/daga-jyounetsu/
公式Twitter:@daga_jyounetsu

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