『ラストマン』は大文字の正義で終わらない 永瀬廉×今田美桜が担うドラマの恋愛軸
痴漢を毒殺した人間がヒーロー視される一方で、無関係な女子高生が犯人と間違われる。すべての元凶が犯罪にあるという考えは、間違っていないがやや短絡的だ。犯罪を憎むあまり私刑を肯定したり、犯人に何をしてもいいという考えで突っ走った結果、道を踏み外してしまうこと。さらには、罪人に無実を塗りたくってしまうことさえあるのだと知らせていた。大文字の正義で終わらず、そこから解像度を上げて目に入るのは、善と悪が容易に反転する複雑な心のありようで、対置されるものとして法の精神と刑罰があることがわかる。
ここまでの放送で気になっていたポイントに護道家がある。護道家は絵に描いたような男系一家で、その全貌は毎話少しずつ明かされてきた。心太朗、泉、泉の父(=心太朗の義兄)である警察庁次長の京吾(上川隆也)、同じく祖父で元警察庁長官の清二(寺尾聰)である。護道家ではないが、収監中の心太朗の実父(津田健次郎)もいる。京吾の登場シーンはサスペンスの雰囲気が漂っている。京吾は皆実の動向を心太朗、次いで泉に報告させており、警戒のほどが窺えるが、物語の重要なパートでその理由は明かされるのだろう。一部では「護道家どうでしょう」と呼ばれる心太朗たちだが、第4話で皆実が護道家に招待する旨の発言もあり、顔合わせが楽しみだ。
■放送情報
日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:福山雅治、大泉洋、永瀬廉(King & Prince)、今田美桜、松尾諭、今井朋彦、奥智哉、王林、寺尾聰、吉田羊、上川隆也
脚本:黒岩勉
演出:土井裕泰、平野俊一、石井康晴、伊東祥宏
撮影監督:山本英夫
プロデュース:益田千愛、元井桃
編成プロデュース:東仲恵吾
音楽:木村秀彬、mouse on the keys
全盲所作指導:ダイアログ・イン・ザ・ダーク
協力:日本視覚障害者団体連合
製作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/lastman_2023_tbs/
公式Twitter:@LASTMAN_tbs
公式Instagram:LASTMAN_tbs