恐竜オタクが観た『ジュラシック・ワールド/復活の大地』 ヴィラン恐竜へ抱いた違和感

2025年の『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は、1993年の『ジュラシック・パーク』3部作から2015年の『ジュラシック・ワールド』3部作に続くシリーズの新章であり、最新作だ。そして、これまでのシリーズ作とは雰囲気が全く異なる。例えるなら、ジェットコースターだと思って乗ったら、お化け屋敷だったみたいな感じだ。
申し遅れたが、筆者は恐竜オタクの音楽ライターだ。だから、「恐竜」を楽しむために鑑賞してきたことを前置きさせてほしい。
恐竜のスケールアップにより発展してきた『ジュラシック』シリーズ

まず、『ジュラシック』シリーズには一貫して作法があり、主に“人類のやらかしを明確に咎めること”、“嫌な奴はきちんと喰われること”、“主人公は巨大なヴィラン恐竜に絶対勝つこと”などがあげられる。
シリーズを観ていて、このようなお決まりの作法を繰り返すことによる予定調和を避けるために、より大きくて、より歯の多い恐竜たちが作中で暴走し、ときには巨大イナゴ群が走り回るなど、あらゆる要素をスケールアップさせながら発展してきた。
そういったスケールアップの中で生み出されたのが、『ジュラシック・ワールド/復活の大地』のメインヴィランであるハイブリッド恐竜、ディストータス・レックス(通称、D-Rex)だ。D-Rexが、この作品を恐竜映画というより、不気味な“ホラー映画”にしたのではないかと思っている。
D-Rexは人為的な遺伝子組み換えのミスで誕生した恐竜という設定で、あらゆる生き物のパーツが秩序なく奇妙にミックスされていて、相当キモい。筆者は初めて観たとき、ゲーム『モンスターハンター』でフルフルと対峙したときの感覚に近い、戦意喪失とドン引きの往来を味わった。とにかく、『ジュラシック・パーク』などで味わえる、「スゲー! 戦えー! 頑張れー!」的な興奮とは乖離した感情だった。
公式資料によれば、D-Rexは、高さ約8メートル、全長約14メートル、体重約9トンもあるとのこと。ゲノムベースとして設定されている、白亜紀の最強獣脚類ティラノサウルス・レックスと同じスケールだ。しかしながら、ティラノサウルスとの共通点は、肉食、顎の力がある、後ろ足が立派などに留まっている。
人間の欲望任せで足し算されたD-Rex
ゲノムベースがティラノサウルスで、種目ごちゃ混ぜかつ“失敗作”であるD-Rexことディストータス・レックスの、どの辺が生物学的に失敗しているのかを考えるのは、これはこれで面白かった。
第一に、恐竜なのに脚が6本も生えている。獣脚類らしい後ろ脚と小さな前脚の4本はティラノサウルスと類似するが、そこに2本の長くて太い腕が生えている点は脊椎動物の中でも前代未聞な骨格だ。その上、ゴリラなどの大型類人猿特有のナックルウォークをする四足歩行をしており、常に前傾姿勢になっていて卑屈な感じがする。






















