映画『スーパーマリオ』世界興収10億ドル突破 ユニバーサル作品で過去最高のオープニング

『スーパーマリオ』世界興収10億ドル突破

 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が、全世界興行収入10億ドルの壁を超えた。北米では4月28日〜4月30日の3日間で4000万ドル(前週比-33.3%)を記録し、4週連続で週末興行収入ランキングのNo.1を獲得。米国興収4億9001万ドル、海外興収5億3245万ドルで、世界興収は10億2247万ドルとなっている。

 本作は、公開から26日目の4月30日に世界興収10億ドルを突破。コロナ禍以降の作品としては、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021年)、『トップガン マーヴェリック』(2022年)、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022年)、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022年)に次いで5作目(アニメーション映画としては初めて)の快挙となった。

 日本でも4月28日に劇場公開を迎えた『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、Deadlineによると国内776スクリーンで1430万ドル(約19億円)を稼ぎ出し、ユニバーサル・ピクチャーズ作品として過去最高のオープニング成績を達成したとのこと。わずか2日間で国内興収が10億ドルを超えたのも同社作品としては史上初だという。

 北米興収の第2位は前週に引き続き、『死霊のはらわた』シリーズの最新作『Evil Dead Rise(原題)』。3日間で1220万ドルを稼ぎ出した本作は、下落率が前週比-50.2%と、ホラー映画としては大健闘の部類。北米興収4441万ドル、海外興収1790万ドルで、世界興収は6231万ドル。当初はHBO Maxオリジナル作品として製作されたため、製作費は1500~1700万ドルと抑えめ。興行戦略の変更によってスマッシュヒットとなった好例だろう。

 ランキングのトップ2を好対照の2作品が牽引するなか、今週も映画ファン向けの新作がいくつも公開された。いずれも日本公開予定は決まっていないものの、先んじて情報をチェックしておこう。

Are You There God? It’s Me, Margaret. (2023) Official Trailer

 第3位に初登場したのは『Are You There God? It’s Me, Margaret.(原題)』。11歳の少女がニューヨークから郊外へ引っ越し、自身の思春期や宗教観と向き合う成長物語だ。主演は『アントマン』(2015年)、『アントマン&ワスプ』(2018年)で主人公の娘・キャシー役を演じたアビー・ライダー・フォートソン。両親役はレイチェル・マクアダムス&ベニー・サフディ(映画監督サフディ兄弟の弟で、俳優としての躍進もめざましい)が演じた。

 3日間で680万ドルという成績はいささか厳しいが、本作の評価はきわめて高く、Rotten Tomatoesでは批評家スコア99%・観客スコア95%。劇場の出口調査に基づくCinemaScoreでは「A」評価となった。配給のライオンズゲートは口コミ効果を頼りに、「母の日」前後の5月中旬まで興行的な期待をかける構えだ。監督・脚本は『スウィート17モンスター』(2016年)のケリー・フレモン・クレイグ。

 なお、原作は子ども~青少年向けの小説を主に手がけてきたアメリカの作家ジュディ・ブルームによる1970年の同名作品で、日本でも『神さま、わたしマーガレットです』として1982年に邦訳版が刊行された(すでに絶版)。

SISU - Official Trailer

 第10位の『Sisu(原題)』はフィンランド発の戦争アクション。第二次世界大戦下でフィンランドとナチス・ドイツが激突したラップランド戦争を背景に、元軍人である金の探鉱者がナチスの暗殺部隊に遭遇、自分の命と金を守るために死闘を繰り広げる物語だ。監督・脚本は、サミュエル・L・ジャクソン主演『ビッグゲーム 大統領と少年ハンター』(2014年)のヤルマリ・ヘランダーが務めた。

 同じくライオンズゲートが米国配給を担当する本作は、同社製作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の上映時に予告編を流すなどの戦略でジャンル映画ファンに訴求。600館という興行規模で325万ドルの初動成績を記録した。約90分という見やすい尺、ハードなバイオレンス描写などで高い評価を得ており、Rotten Tomatoesでは批評家93%・観客89%という好記録に。映画監督たちの間でも注目されており、クエンティン・タランティーノにもコピーが送られたという。

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