『名探偵コナン』vs『スーパーマリオ』 GW本番に繰り広げられる2強の空中戦

GW本番に繰り広げられる2強の空中戦

 そんな『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が北米のボックスオフィスで2023年最高のオープニング成績を記録して、現在まで3週連続1位。世界興行収入でも4月24日時点で既に1000億円を突破するという歴史的なヒットとなっているのは既報の通り。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』などを筆頭に、近年、海外での大ヒットが国内興行に結びつかない事例が続出してはいるものの、さすがに『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に関しては「母国」ならではの盛り上がりが見込めるだろう。散々ネット経由で海外から情報が入っているにもかかわらず、国内ではマスコミ試写を観た関係者にも公開直前まで作品内容についての箝口令を敷いたり、公開前の宣伝展開が控えめだったりと、気がかりな点もあるにはあるが。

 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の興行に期待できる理由の一つは、本作がイルミネーション作品であるということ。マリオというキャラクターの圧倒的な国内認知度とは別に、イルミネーション作品はユニバーサル・スタジオ・ジャパンでの展開などを通して日本の幅広い層においてブランド価値を築いていて、『怪盗グルー』シリーズを筆頭に安定した興行実績を残してきた。イルミネーション作品の興行の特徴は初動型というよりもロングラン型。その点でも、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』と長期的に渡り合うだけの地力は十分にある。

 もう一つは、作品の仕上がりそのものがとても優れていること。これまでゲーム原作の映画の興行には上限となる壁があったが、海外で今回その壁を思いっきり突き破ったように、日本でも同じ現象が起こるのではないか。きっとその鍵となるのは、今週末に映画館に足を運んだ観客からの口コミやソーシャルメディアにおける盛り上がりだろう。

■公開情報
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
全国公開中
声の出演:クリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・デイ、ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・キー、セス・ローゲン、フレッド・アーミセン、ケヴィン・マイケル・リチャードソン、セバスティアン・マニスカルコ
脚本: マシュー・フォーゲル
監督:アーロン・ホーヴァス、マイケル・ジェレニック
製作:クリス・メレダンドリ(イルミネーション)、 宮本茂(任天堂)
日本語版吹替声優:宮野真守(マリオ)、志田有彩(ピーチ姫)、畠中祐(ルイージ)、三宅健太(クッパ)、関智一(キノピオ)
配給:東宝東和
©︎2023 Nintendo and Universal Studios
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