『鬼滅の刃』炭治郎×善逸×伊之助はなぜ強くなれたのか 『遊郭編』ラストバトルまでの道
吾峠呼世晴原作のTVアニメ『鬼滅の刃』の第3期に当たる「刀鍛冶の里編」が4月9日よりスタート。それに先駆け、フジテレビ系“土曜プレミアム”では4月1日と8日の2週連続で第2期「遊郭編」の特別編集版が放送されている。
先週放送の「遊郭潜入編」では、炭治郎、善逸、伊之助が音柱・宇髄天元と共に新たな任務地へ。宇髄の妻たちが消息を絶った遊郭に無事潜入するも、思いがけず上弦の陸・堕姫と遭遇し、戦いが勃発。今週放送の「遊郭決戦編」では、堕姫を追い詰めたところでもう一人の上弦の陸で兄の妓夫太郎が現れ、バトルがさらに激化していく。
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後半戦の見どころは二本の日輪等を派手に振りかざす宇髄の戦いぶりもさることながら、百年以上誰も倒すことができなかった上弦の鬼に食らいついていく炭治郎たち“かまぼこ隊”の成長だろう。前回の任務の時と比べ、3人とも明らかにメンタル面が強化されている。前回の任務とは、そう。あの悲しい別れを経験した無限列車における鬼との戦いだ。
短期間のうちに何人もの人が行方不明になっているという無限列車に乗り込んだ3人は、炎柱の煉󠄁獄杏寿郎と合流。彼の的確な指示のもとで全員の力を結集し、下弦の壱・魘夢を倒すことに成功する。それでもなお、炭治郎たちの中で無限列車での任務は成功体験として刻まれてはいない。
なぜなら、魘夢との戦いでボロボロになった彼らの前に、息つく間もなく上弦の参・猗窩座が登場。これまで倒してきた鬼とは比べ物にならないほどの強さを誇る猗窩座を前に3人は為す術もなく、自分たちを守ろうとたった一人で戦う煉󠄁獄の勝利を願うことしかできなかったからだ。結局、その戦いで煉󠄁獄は命を落とすこととなる。
自分たちがもっと強ければ、煉獄さんを死なせずに済んだかもしれないーーそんな後悔や不甲斐なさとともに3人の心に刻まれたのが、鬼のように失った手足が生えてくるでもなく、老いや死からも逃れられない人間の肉体的な弱さを精神的な強さや思いの強さで乗り越え、戦い抜いた煉獄の背中。そして、彼が死に際に授けてくれた「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと、心を燃やせ」という言葉だ。
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それらを糧に、炭治郎たちは何度も堕姫や妓夫太郎に立ち向かっていく。そこにはもう、柱という存在にただ守られているだけの彼らはいない。特に善逸と伊之助の成長ぶりは目を見張るものがある。