『ひとりぼっち』相葉雅紀が語る、“石井ファミリー”の現場 「大きな財産になりました」
相葉雅紀が主演を務めるスペシャルドラマ『ひとりぼっち ―人と人をつなぐ愛の物語―』が4月9日21時よりTBS系で放送される。
相葉がTVドラマに出演するのは2021年放送の『和田家の男たち』(テレビ朝日系)以来。『渡る世間は鬼ばかり』シリーズ(TBS系)の石井ふく子プロデューサーが手がける3年ぶりの新作となる本作で、心を閉ざして生きている主人公の信也を演じる。
今回、初参加となった“石井ファミリー”の現場でのエピソードや本作の見どころについて、相葉が語ってくれた。
深く刺さる「家族ではない絆」の部分
――本作への出演が決まり、脚本を読んだ時の感想を聞かせてください。
相葉雅紀(以下、相葉):最初にお話をいただいた時はうれしい反面、僕でいいのかなというプレッシャーも感じました。「橋田壽賀子さんの一周忌に捧げるドラマ」という大きなプロジェクトに参加させていただきとても光栄です。だからこそ、自分の持てる力以上に頑張らないといけないと思いながら撮影に臨みました。台本を読んだ当時は、すでにコロナ禍。人と接触しないように心がけていたので、この台本が描く「家族ではない絆」の部分が深く刺さりましたね。この時代だからこそ共感できる内容でした。
――石井プロデューサーから「ずっと一緒にお仕事をしたかったのよ」と声をかけていただいたそうですね。
相葉:石井さんはサンドイッチを作ってきてくれたり、寒い時期の撮影だったのでマフラーを差し入れてくれたり。「ファミリー」というものを大切にされる方だと感じました。石井ファミリーの絆は強いので、最初は「入っていけるのかな、馴染めるのかな」という不安もありましたが、みなさんがウェルカムな空気を作ってくださりました。居心地のいい空気を作ってくれたことに感謝しています。
――杉信也という孤独な青年役を演じるにあたって意識したことや大切にしたことがあれば教えてください。
相葉:孤独になった理由として、(杉信也は)本当に計り知れない経験をしています。ですから3.11のときのニュース映像やドキュメンタリーなど、あらゆるものをずっと見続けました。改めて被害の大きさや惨さを認識し、最大限勉強しました。
――具体的にどういう映像を見て、どのように役に落とし込んでいったのでしょうか?
相葉:そのときのニュースの映像や、何年後かのドキュメンタリー映像など、検索して出る限りのものを見ました。両親が2人とも震災で亡くなってしまったという役でしたが、その当時はそういう方もたくさんいたと思いますし、それを想像するだけで胸が痛みます。もちろん想像しきれない部分もたくさんありますが、そこに近づけるよう、ずっと見ていました。
――杉信也を演じるのは難しかったですか?
相葉:難しいというより、つらいですね。
――今回の作品で芝居をするにあたり、挑戦だと感じたこと、それを経て役者として成長できたことを教えてください。
相葉:自分では正直わからないんです。役に入り込んでやっていたので、あまり客観的に見られていないものですから。本当は俯瞰で見て、こうした方がこういう感情が伝わるんだと考えながら芝居をした方が良かったのでしょうけれど、グッと役に入ってしまいました。
――普段もそういう演じ方なのですか?
相葉:わりと入り込んでしまうタイプでしたが、今回は(作品の背景を)勉強していたこともあり、より深く気持ちが入っていったのかなと思います。