『舞いあがれ!』横山裕×山下美月が生み出す幸福な時間 離れることで縮まった心の距離
「仕事のことと違うで。俺たちのことや」
言葉足らずで、それでいて心の中をまっすぐに見つめてくる悠人を、久留美が愛おしく思っていることは、伏し目がちに交わす視線のやり取りからも伝わってくる。遠距離恋愛の悠人と久留美は一緒にいる幸せを嚙みしめていて、離れて暮らすことでかえって2人の距離は縮まったようだった。
幸せそうな周囲と対照的に、気がかりなのが貴司(赤楚衛二)の現状だ。第3歌集の要望に、歌が詠めないと貴司は詫びる。貴司を案じながらも、北條(川島潤哉)は「梅津先生は、苦しんでこそ良い歌を詠む人だ」と達観する。今度のスランプはかなり重症のようだ。前話で、貴司は祥子(高畑淳子)に「もうこういう歌は詠めません」ともらしていた。歌集が人気になり、家族ができたことで、貴司を取りまく環境が一変したことも影響しているかもしれない。そのまま約1年が過ぎ、貴司の手は止まったまま。言葉をなくした歌詠みは、浮上するきっかけをつかめるだろうか。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK