『君の好きは無敵』が描く“好き”が“恋”に変わる瞬間 杏奈と瀬尾の距離が縮まり始める予感

『君の好きは無敵』好きが恋に変わる瞬間

 胸が突然ズキッと痛んだら、まず疑うべきは体の不調だろう。ましてや恋愛とは縁遠い瀬尾(佐野勇斗)なら、それが誰かを「好き」になったサインだなんて思いもしない。『君の好きは無敵』(TBS系)第5話では、チュチュチュエラが店頭デビューを果たす一方で、瀬尾自身の中にも新たな「好き」が芽生え始めた。

 名前も決まり、念願だったぬいぐるみも無事に完成。杏奈(松本若菜)と瀬尾が生み出したチュチュチュエラは、ついに店頭販売の日を迎えた。ところが、いざ販売時間になっても客は一向にやってこない。よりによって同じ時間に「酷評モルコ」が発売され、そちらはわずか3分で完売してしまったのだ。さらに佐々岡(小野花梨)からは、ストーリーや世界観をもっと前面に押し出したほうがいいとアドバイスされる。かわいいキャラクターを作れば自然と売れるわけではない。生み出した後に、どうやってその魅力を届けるのか。杏奈と瀬尾の挑戦は、ここからが本番なのだろう。

 しかし、売れないこと以上の問題が2人を襲う。「チュチュチュエラはパクリだ」と主張するサバンナ中央銀行の八木(正名僕蔵)が現れ、販売中止を迫ってきたのだ。もちろん杏奈たちには身に覚えがない。

 そこで瀬尾が“救世主”として連れてきたのが、まさかの杏奈の元恋人・麦(金田哲)。自分の専門ではないと困惑しながらも、「杏奈のためなら」と協力を申し出る麦は相変わらず憎めない。まさかチュチュチュエラのパクリ疑惑をきっかけに、杏奈の元恋人まで再登場するとは。

 もっとも、八木を追い詰めたのは杏奈だった。チュチュチュエラは店頭でほとんど売れておらず、SNSでの宣伝も広がっていない。それなのに、なぜ八木は存在を知っていたのか。杏奈が大三島(本郷奏多)と八木が2人で会話している写真を見せると、八木の態度は一変。パクリ疑惑は撤回されることになった。

 では、その決定的な写真を杏奈に送ったのは誰なのか。写真にはチュチュチュエラが写り込んでいた。そして、店頭でチュチュチュエラを買った客はただ一人。佐々岡だった。

 ここから明かされていくのが、瀬尾と佐々岡の過去である。かつて2人は強力なパートナーだったが、瀬尾が大切にしていた「まんぷくもる子」が「シニカルモルコ」へと変えられた際、佐々岡は大三島側についた。それ以来、瀬尾にとって佐々岡は自分を裏切った相手だった。

 けれど、佐々岡にも事情があった。大三島の言うことを聞かなければ、瀬尾が大切に育ててきたキャラクターそのものがなかったことにされてしまう。それだけは避けたかった。「守りたかったですよ! 私だって!」と感情をあらわにした佐々岡の言葉から伝わってきたのは、裏切った人間の開き直りではなく、守りたかったものを守れなかった人間の後悔だった。杏奈からチュチュチュエラのために力を貸してほしいと誘われても、「これは瀬尾さんを守れなかった罰」と断った佐々岡。ずっと瀬尾に恨まれていること以上に、自分自身が当時の選択を許せずにいたのだろう。

 だからこそ、そのわだかまりの解き方も2人らしかった。瀬尾が不意に佐々岡へ武術を仕掛ければ、案の定あっさり返されてしまう。それで「ノーサイド」。過去の出来事がそんな簡単に消えるわけではない。それでも、何年も言えなかったことをぶつけ合った2人には、長々とした謝罪よりもそのくらいがちょうどよかったのかもしれない。

 一方、瀬尾にはもう一つ、自分でも説明できない問題が起きていた。杏奈を見たり、手が触れたりするたびに胸へ走るズキュンとした痛みである。本人は真剣に悩んでいるのに、相談された「キッチン迫田」の迫田(高嶋政伸)が出した答えは「肋間神経痛」。迫田としてはいたって真面目に答えているだけなのだが、それでは瀬尾の疑問は深まるばかりだ。

 そんな瀬尾に意外な形で答えを教えたのが麦だった。「好きな人ができた」と明かした麦の相手は女性ではなく、筋肉アイドルのアーノルド&シルベスター。しかも弟子入りまでしており、杏奈の前で彼らの「マッスルラバーズ」を披露するという、あまりにもシュールな展開に。けれど、そこで歌われていた“恋の痛み”は、杏奈だけでなく瀬尾の胸にも思い当たるものがあった。

 「これが恋……」

 これまで自分の「好き」にはどこまでも素直だった瀬尾が、杏奈への気持ちだけはなかなか理解できずにいた。胸に走る痛みの正体にようやく気づいた今、杏奈と瀬尾の関係もいよいよ大きく動き出しそうだ。

■放送情報
火曜ドラマ『君の好きは無敵』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:松本若菜、佐野勇斗、小野花梨、金田哲(はんにゃ.)、中村隼人、白本彩奈、島崎和歌子、藤井隆
声の出演:あの(シニカルモルコ役)
脚本:宮本武史
演出:竹村謙太郎、府川亮介、渡部篤史、尾本克宏ほか
主題歌:星野源
プロデューサー:岩崎愛奈
協力プロデューサー:小髙夏実
編成:吉藤芽衣
取材協力:株式会社サンリオ
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kiminosukihamuteki_tbs/
公式X(旧Twitter):@kiminosuki_tbs

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