伊藤沙莉、神木隆之介、福原遥 子役からの“努力”で勝ち取った朝ドラ主人公の座

伊藤沙莉、福原遥ら朝ドラ主演の元子役たち

 2024年度前期の朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)のヒロインを伊藤沙莉が務めることが発表された。伊藤にとっては2017年の『ひよっこ』(NHK総合)以来、2度目の朝ドラ出演となる。伊藤は9歳の時に『14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜』(日本テレビ系)にてドラマデビュー。子役時代から着実にキャリアを積み、ついに朝ドラヒロインの座を獲得した。

 このところ、朝ドラの主人公に子役出身の俳優が抜擢されるという流れが続いているようだ。現在放送中の朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)でヒロインを務める福原遥は、かつて子供向け料理番組『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』(NHK Eテレ)の主人公「まいんちゃん」で一世を風靡。続く2023年度前期の朝ドラ『らんまん』(NHK総合)でも、名子役として名を馳せた神木隆之介が主演に決定している。そして2024年度が伊藤の抜擢である。

 かつての芸能界では日米問わず、「子役はなかなか大成できない」などと言われる時期もあった。子役時代に売れすぎてしまうとパブリックイメージを払拭できず、本人もどう振る舞っていいかわからないままに日の目を見なくなってしまうというケースも少なくなかったのだ。

 だが昨今の芸能界では、こうしたジンクスが払拭されつつあるようだ。神木隆之介のように、子役時代から『妖怪大戦争』(2005年)、NHK大河ドラマ『義経』、『あいくるしい』(TBS系)などの注目作に出演し、その後も役の幅を広げながらキャリアを積んでいく俳優が増えている。神木は子役時代に、その透明感あふれるルックスとあどけない芝居で多くの視聴者の心をつかんだ。NHK作品への出演経験も多く、『義経』で義経の幼少期・牛若を演じたのちに、NHK大河ドラマ『平清盛』では成長後の源義経を演じているのだ。また朝ドラにおいては、今回の主役が決まる以前に『どんど晴れ』(NHK総合)への出演経験もある。子役時代を経て、『探偵学園Q』(日本テレビ系)や『高校生レストラン』(日本テレビ系)、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)などの学生役にキャリアアップし、常に等身大の役を演じてきた。視聴者にとっては親目線で活躍を応援できる存在であるが、親近感を感じさせながらもその実力は折り紙つきだ。

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 『舞いあがれ!』で主人公の舞を演じる福原遥も実は多彩な俳優である。前述の『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』は子ども向け番組にもかかわらず、幅広い年齢層からの支持を得ていた。その後、子役としての活動が過渡期となるティーン期にはモデル業も開始し、ローティーン向けファッション雑誌『ピチレモン』(学研プラス)の専属モデルを務めることに。また『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』で披露した歌声の評価が高かったことから、人気アプリ「おさわり探偵 なめこ栽培キット」のキャラクターソング「なめこのうた」など、歌手としても活動する。持ち前の高く澄んだ声を武器に、『キラキラ☆プリキュアアラモード』(テレビ朝日系)などで声優業でも認知されることに。本人は左利きにも関わらず、役によっては右利きに変えて芝居をするなど、才能だけでなく努力の人でもある福原。朝ドラヒロインを経て、さらに活躍の舞台を広げるであろうことは容易に想像がつく。

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