『罠の戦争』“サスペンスの女王”が黒幕に 鴨井大臣役にも生きる片平なぎさの愛され力

『罠の戦争』“鴨井”片平なぎさの愛され力

 だが、彼女が本当に黒幕だとしたら、これまでの発言がすべて嘘みたいになってしまうのが苦しい。パワハラを受けている蛍原をかばってあげたのも、可南子に語っていた夢も、すべてが黒ずんで見えてしまう。「永田町ではセクハラ・パワハラくらい当たり前? そんな感覚、古臭くて恥ずかしいと思って」と言い放った時の鴨井は、まさに正義の人だったのに。

 そんな正義の人が、正義を貫けなくなったのは、最愛の息子をかばうためだったのだろうか。女手ひとつで、息子を育ててきた鴨井。事件の隠蔽をしたのは、息子の罪を隠すためだった……としか考えられない。

 となると、ここからは鷲津と鴨井、親同士の対決になってくる。“子どもへの深い愛情”を活力に動いている2人は、もう誰にも止めることができない。とくに鷲津は、泰生のためならばどんなことでもやってのけるだろう。

 ただ、正義感が強い鴨井は、たとえ息子が罪を犯したとしても、きちんと償わせると思っていた。しかも、被害者の親は自分と同じ永田町で働く人物だ。きっと、隠蔽しようと思うまでには、いろいろな葛藤があったにちがいない。

 光の道を歩く人の後ろには、影ができる。強く見える人ほど、実は弱い。鴨井も、弱い自分を隠すために、何枚もの鎧を纏ってきたのだろうか。彼女が抱えてきた闇にスポットが当たりそうな第7話からも、目が離せない。

■放送情報
『罠の戦争』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00〜放送
出演:草彅剛、井川遥、杉野遥亮、小野花梨、坂口涼太郎、白鳥晴都、小澤征悦、宮澤エマ、飯田基祐、本田博太郎、田口浩正、玉城裕規、高橋克典、片平なぎさ、岸部一徳ほか
脚本:後藤法子
演出:宝来忠昭
演出・プロデューサー:三宅喜重
プロデューサー:河西秀幸
音楽:菅野祐悟
主題歌:香取慎吾×SEVENTEEN「BETTING」(Warner Music Japan)
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/wana/

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