『警視庁アウトサイダー』濱田岳が冤罪事件の真相に近づく　上白石萌歌のファインプレーも

　蓮見光輔（濱田岳）が“兄貴”と慕い、手を組む相手が明かされた『警視庁アウトサイダー』（テレビ朝日系）第5話。

　その正体は、架川英児（西島秀俊）と蓮見を監視し、蓮見と父・梶間優人（神尾佑）の親子関係を証明すべくDNA鑑定を依頼した監察係の羽村琢己（福士誠治）だった。もちろん羽村がサンプルを入れ替えたことで親子関係は証明されず、そのおかげで彼の上司の監視対象から蓮見は見事外された。羽村がなぜ蓮見と手を組むことになったのか。彼は架川にも連携を持ちかけ、ここでもまた異色トリオが秘かに誕生した。

　第5話では至るところに切っても切れない師弟関係が見られた。暴力団“仁英組”構成員の楠本貴喜（横山涼）の白骨死体が見つかるが、その裏には先輩を慕いやり直そうとする楠本の願いがあったのだ。仁英組組長の玉田（勝光徳）が上納金で揉めていた“黒扇会”の土方（白井光浩）を襲撃するよう元暴力団員・小松崎実（デビット伊東）に依頼したのが事の始まりだ。玉田が提示した交換条件は自身が営む清掃会社への援助。小松崎は会社や部下の居場所を守るためこの依頼を受けることに決める。裏稼業から足を洗いたいと小松崎に相談をしていた楠本はその計画を知り、彼をなんとか引き止めようと身体を張ったのだ。しかしその意図は小松崎本人には伝わらず、彼を思い止まらせようと留守電に残したメッセージはすぐには届かなかった。しかし、楠本のこの着信音のおかげで彼は銃の引き金を引かずに済んだのだ。「あんたが悪の道に戻っちまったら、みんな更生なんて無理だ、過去は変えられないと諦めちまう。あんたがいてくれりゃあきっとやり直せる」と。

　新米刑事・水木直央（上白石萌歌）のファインプレーにより小松崎が紛失してしまったスマホは見つかり、5年の時を経てついに小松崎にそんな後輩の真意が届いた。

　自身が敬愛し慕う上司がこれ以上罪に手を染めてしまうことがないようになんとか阻止しようとした楠本の姿は、“マル暴”時代の元上司・藤原要（柳葉敏郎）の勝手な幕引きを引き止め自首すると悔い改めさせた架川ともどこか重なる。