濱田岳×草刈正雄が最高のハマり役! 制作陣の本気と愛が詰まった『探偵ロマンス』
濱田岳が主演を務めるNHK土曜ドラマ『探偵ロマンス』が1月21日よりスタートした。
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(以下、『カムカム』)を手がけたチームが集結したことでも話題の本作は、1923年に作家デビューを果たした江戸川乱歩の知られざる誕生秘話を描いていく全4話のオリジナルドラマ。『カムカム』では3編からなる物語を繋げる役割として存在していた橘算太を好演した濱田岳をはじめ、「ひなた編」の主な撮影場所となっていた太秦映画村のセットが使用されていたりと『カムカム』を彷彿とさせる要素が随所にインサートされている。
第1話を観て、まず筆者が驚いたのが平井太郎(濱田岳)とバディーを組むことになる、もう一人の主人公と言っても過言ではない白井三郎(草刈正雄)のアクションシーンである。飛ぶわ、投げるわ、走るわ。御年70歳とは思えない俊敏な動きで怪盗・ピス健(土平ドンペイ)を追いかける草刈正雄。
同じNHK大阪放送局製作の朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)1月20日放送のエンドカードにワイヤーで吊られて“舞いあがる“草刈の姿が映し出されていたが、今回の撮影ではアナログで実際に役者自身がアクションを演じている。アクションを監修しているのは、『牙狼』シリーズや『ザ・ファブル』シリーズを手がけている横山誠。撮影スタッフが綴ったnote(※)には、演出の安達もじりと2人の監督が混在する特殊な体制での撮影が行われていたことが明かされている。もちろん、そこは草刈のいまだ衰えぬアクション俳優としての技量や体幹があってのものであり、ピス健との銃撃戦の合間に草刈が見せる“和製ジェームズ・ボンド“と言いたくなるような、余裕の笑みに筆者はハートを撃ち抜かれてしまった。
江戸川乱歩として作家になる前の太郎が、三郎との出会いによって運命の扉が開いていく様子、その変化も面白い。作家としてまだ何者でもない太郎は、周りや世の中に対して不平不満をぶちまける、青臭いキャラクター。『カムカム』の算太がまさにそうであったが、人生に逡巡しているような人物を演じさせれば、濱田岳の右に出る者はいない。