清水くるみ「“カメレオン俳優”と言われるのが嫌だった」 連ドラ初主演の心境を明かす

清水くるみが明かす連ドラ初主演の心境

 1月8日から放送が開始したBSテレ東による新ドラマ『親友は悪女』の展開が見逃せない。誰よりも純粋で素直な性格の主人公・堀江真奈。仕事にも真摯に取り組む彼女は、ひょんなことから高校時代に唯一の親友だった高遠妃乃と再会する。しかし、突然自分の家に転がり込んできた妃乃の数々の行動に困惑していくことになる……。「こういう悪女、いる」とどこか既視感のある本作で、翻弄されていく真奈を演じるのは清水くるみ。ミュージカルなどの舞台作品を中心に現在引っ張りだこな彼女は、意外にも今回が連ドラ初主演となる。その心境から、今後の俳優としての目標、最近『ONE PIECE』を読んでいることなど、余すことなく語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「あまり主演であることを意識してはいなかった」

――連ドラ初主演(W主演)となる『親友は悪女』の話をもらったときの感想は?

清水くるみ(以下、清水):最近舞台の仕事が多かったので、連ドラ、しかもW主演というお話をいただいてすごくびっくりしました。このタイミングで私がやっていいのだろうか、とも思いました。ただ、現場にいる時間が一番長かったり、1月期のドラマの特集ページを見ていたら自分の顔が出てきたりして、「あ、主演ってこういうことか」と徐々に実感が湧きましたね。役を演じることに変わりはなかったので、あまり主演であることを意識してはいなかったんです。どの現場でも私は楽しく仕事したいなと思っていて、今回もみんなで話しながら、楽しくすることを意識していましたが、いまだに主演と言われるとドキドキするし、テレビ局に自分の顔が写ったポスターがたくさん貼ってあって驚きます。

ーードラマ出演は『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(TBS系/以下『じぞ恋』)以来ですね。緊張感はありましたか?

清水:『じぞ恋』のときは1話につき1〜2シーンくらいしか出ていなくて、あまり現場にいることがなかったんです。そのため、スタッフさんを含めて皆さんを深く知ることができなくて。仲良くなってからとは緊張感の度合いが少し違うじゃないですか。もちろん、皆さんすごく優しくてアットホームな現場でした。でもより親しくなっていたら、もっと楽しかったなとは思っていました。今回は最初のクランクインが皆さん初めましてで、一から一緒に作っていけた点も良かったし、より和やかに楽しく撮影ができたと思います。

ーー同じくW主演の山谷花純さんとの共演はいかがでしたか?

清水:10代、20代の頃もよく彼女の作品を観ていました。一方的に彼女の作品を観ているから会った気でいたし、オーディションのときも素敵な役者さんだなって見ていたので、今回ご一緒できてすごく嬉しかったです。

ーー現場ではお二人でどんなふうに過ごされていたのでしょう?

清水:あれだけ魅力的に妃乃役を演じられていますが、花純さん自身の素は全然妃乃ではなくて(笑)、現場では仲良くお話させていただいていました。グミが現場で流行ったんですよね。私はいつもどの現場でもグミを食べているんですけど、花純ちゃんはあまり食べる習慣がなかったみたいで、「えっ、何?」と気になったらしく。それがみんなに広まって、現場の引き出しにスタッフさんが買ったグミを入れてくださったりして、「こんな種類、集めたことない!」ってくらいの数のグミを見ました(笑)。みんなで食べていましたね。

ーーこれまで幅広い役柄を演じてこられていますが、妃乃役も清水さんがこれまでに演じてきたキャラに近いように思えます。

清水:私も、ちょうど悪女の役を演じていた直後に今回のお話をいただいたので、妃乃役でのオファーだと思っていたんです。だから、「え、真奈役であってる?』ってマネージャーさんに何度も確認しちゃいました(笑)。実はプロデューサーさん曰く、最初は妃乃役だったみたいで。でも「(私が)すごく真奈だと思った」ということで、最終的に真奈役になったらしいです。だから私も妃乃もやってみたかった。ただ、私は舞台でそういう役を演じてきたので、リアルさよりも誇張した演技になるんですよね。だから舞台で演じていることをそのまま映像でやっちゃうと、うまくいかなかったかもなって思いながら現場にいました。

ーーやはり舞台とドラマや映画などの映像作品での演技は違うんですね。

清水:そうですね。そこまで意識したことはありませんでしたが、今回初めて頭の中で「あっ、もし私が妃乃役だったらここまで誇張しちゃってたな」って想像して見ていました。

ーーそんな経緯もありながら、今回演じられた主人公の真奈役に関してはいかがでしたか?

清水:私、妃乃目線というわけではないですが、結構真奈にイライラしちゃった部分も多くて。「裏切られてるじゃん、なんで気づかないの?」って思ってしまうタイプですね。少しドジなところや不器用な部分は似ているかもしれませんが、あの純粋さは私にはないので……。ただ、妃乃は悪女だけどチャーミングな部分もあるんです。真奈目線って少し“男目線”でもある気がして、だからそういうところを見て「あっ、かわいいな」と許しちゃうのもすごくわかります。妃乃に高校時代に救われた過去もあるし、彼女に対して一途で純粋に真っ直ぐなところも理解できるんですよね。

ーー確かに。男性が悪い女性に騙されているような雰囲気は若干感じますよね。それこそ石川瑠華さん演じる本田役のように「騙されているよ」って言ってあげたくなる……。

清水:あっ、そう、私は本田タイプなんですよ(笑)。彼女みたいに言っちゃう。

ーー妃乃のような女性って一定数いますが、清水さんご自身は本田や真奈のように、これまでの実生活で“リアル妃乃”に遭遇した経験はありますか?

清水:えーっ、いっぱいありますよ! 女の子なんて妃乃の集まりでしょっていうくらい。これ、言っていいのかな?(笑)。一番わかりやすい実体験でいうと、高校時代に仲良かった子の話です。私も含め3人組で仲が良かったんですけど、私だけ大学が離れてしまって普通に疎遠になっていたんです。で、SNSを見ていると、ほかの二人も離れているような気がして。その後、より仲が良かった片方の子に久々に会って「どうしたの?」って聞いたら、「いや、実は……」って言われたのが、その子が「好きな人ができた」って相談したら、相談している間にとられちゃったと。もう一人の子はもともと悪女っぽかったんですよ。私が高校時代に付き合っていた人にちょっかいを出していたこともあったので、危ないなとは思っていました(笑)。一方、そのときに話を聞いたもう一人の友人は、結構真奈タイプだったんですよね。

ーー現実でもドラマみたいなことが起きたりするものなんですね。

清水:そうですね。ドラマだから面白くするために、誇張して描くことって良くあるじゃないですか。だけど本作は根本にとてもリアルな部分があるからこそ、視聴者側の感情的には何か通じるものがあると思っています。

ーー清水さんは“女の友情”についてどう思われますか?

清水:若いときに「男一瞬、女一生」みたいな待ち受け画像が流行ったんですけど、私もそう思っています。男性との友情はあるとは思っていますが、女子同士との友情には敵わないというか。今の私の周りに悪女がいないからだと思いますが、女子の友情はちゃんとあると思います。

ーー本作は真奈と妃乃の関係性についてもフォーカスされつつ、真奈の恋愛模様も描かれます。思いを寄せる同期の橋井翼(矢野聖人)と、見守ってくれる上司の東雲拓人(淵上泰史)、清水さんはどっち派ですか?

清水:東雲さんの方が最初は信頼できるなって思いましたが……妃乃に出会っちゃった橋井くんなら、橋井くん派かな。一回妃乃の正体に気づいて「こういう子が悪女なんだ」って知って、学習した橋井くんとは付き合いたいかもしれない。橋井くんは多分その子が悪女だと知ったら「ノー」と言えるけど、東雲さんはやんわり「ノー」って遠ざけたとしても、はっきり嫌だと言わないと思うんですよね。そういう意味では橋井くんがいいです。

ーー本作の魅力や、視聴者が共感できそうだと思う点はどこにあると思いますか?

清水:本田さんですよね。本田さんにみんな共感できると思います。彼女が「妃乃を見かけたよ」って言わなければ真奈は妃乃と再会していなかったし、本田から彼女の裏の顔を聞かされる点でも重要な役だと思っています。そんな彼女に一番感情移入できるんじゃないかな。

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