『警視庁アウトサイダー』に朝ドラ俳優集結 西島秀俊×濱田岳×上白石萌歌が見せる二面性

『警視庁アウトサイダー』に朝ドラ俳優集結

 さて、『カムカム』では姉・萌音が濱田と兄妹役で共演したが、本作で濱田演じる光輔の直属の部下となったのが上白石萌歌扮する新人刑事の水木直央だ。

 上白石は『ちむどんどん』(NHK総合)で、ヒロイン・暢子(黒島結菜)の妹の歌子役を演じていたのも記憶に新しい。幼い頃から病気がちで引っ込み思案、自分にはあれもこれも無理だと諦めてきた遠慮がちな歌子が、やがて自身も他の人と同じように輝きたいと、自分のやりたいことに恐る恐る手を伸ばしていく姿には誰もが応援したくなっただろう。

 それに対して、本作では安定志向で事務職希望、思っていることがそのまま口にも顔にも態度にも出てしまう、“ゆるキャラ”のようなポジションを担っている。奥ゆかしさの塊のような歌子とは正反対で、かなりのマイペースぶりを発揮する不思議ちゃんの直央。ただそんな直央だからこそ、英児にも光輔にも物怖じせずに言いたいことをズケズケ言えて、この異色トリオが成立しているとも言える。

 『ちむどんどん』でも高校の音楽教師・下地響子(片桐はいり)にその才能を見出され、彼女から逃げ惑う歌子の姿が印象的だった。インパクトのあるキャラクターに引っ張られ、自身の中に眠る本音や才能に気がついていくというところは、今後本作でも直央に期待できそうな展開だ。

 それぞれの作品とは正反対とも言える演技を見せている3人の絶妙なパワーバランスや時に生まれる一体感、そして彼らが巻き起こす化学反応に引き続き期待したい。

■放送情報
『警視庁アウトサイダー』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:西島秀俊、濱田岳、上白石萌歌、斎藤工、片岡愛之助ほか
原作:加藤実秋
脚本:髙橋泉
音楽:末廣健一郎
演出:木村ひさしほか
ゼネラルプロデューサー:服部宣之
プロデューサー:藤崎絵三、長谷川晴彦、山形亮介
制作協力:KADOKAWA
制作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日

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