『相棒』が描いたさまざまな愛の形 右京×亀山の年齢を重ねたからこその楽しいトークも

『相棒』が描いたさまざまな愛の形

 ちょっと若めの男性が、小学生くらいの男の子と一緒に歩いている。人はそれを見ただけで「ああ、親子かな」と判断してしまう。でもそれが、“親子連れ”ではなくて、“他人連れ”だったら……?

 1月11日放送の『相棒 season21』(テレビ朝日系)第12話は、人知れず事件に巻き込まれ、困っていたふたりを、右京(水谷豊)と亀山(寺脇康文)が真実を解き明かしながら、助けていく物語だ。

 ある日、右京と亀山が車で住宅街に出ていたところ、突然、小学生くらいの男の子・武志(潤浩)に声をかけられる。その子供は、父親とみられる南野(駒木根隆介)という男と一緒で、「財布を落として帰れないので、家まで乗せてほしい」という。要望に応えて、マンションまで送るが、右京は親子連れでは遊ぶ場所のないところに行ってきたというふたりに違和感を覚えていた。

 同じ頃、都内のアパートで住人が刺殺される事件が発生。被害者は、5年前に押し込み強盗で5千万円もの大金を奪った前科が。最近、主犯格の男が刑務所内で急死し、5千万円もいまだ見つかっていないことから、今回の刺殺と関連があると思われた。アパートの住民は、子連れの男が逃げるのを見たと言う。家まで送った親子が、何らかの事情を知っていると考えた右京と亀山は、再びマンションを訪問。ふたりの様子に不審を抱き、周辺を調べ始めるが、その矢先、ふたりは行方をくらましてしまう。

 警察官に復帰した亀山は新しく発行された警察手帳を見せつつ、右京とともに周辺の住民に聞き込みをする。その途中、偶然、探していた南野と遭遇。南野はずんぐりむっくりとした体型で、走るのは苦手そうなのだが、亀山は追いつけず取り逃がしてしまう。身体能力の高さを売りにしていたはずの亀山の失態に、右京は「昔の君なら追いついたんじゃないですか?」とニヤリと笑った。

 一方の右京は、家の前で転んでしまった女性を助けていたのだが、気がついたらいなくなってしまっていたという。右京と亀山は、この女性に気を取られて、南野に気がつくのが遅れてしまったのだ。どうやらこの男女はグルのよう。亀山はすかさず「昔の右京さんなら騙されなかったんじゃないですか?」とこちらもニヤつきながら反撃。右京は、仏頂面で「どうでしょうねえ」と返していた。

 お互いが若かりし頃を思い出しながらのこの会話は、亀山が再び相棒になった『season21』だからこそできるものだ。ふたりと同じようにニヤニヤしてしまった視聴者もいることだろう。

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