『相棒』寺脇康文演じる亀山に視聴者が魅了されてしまう理由 変わらない情熱と優しさ

『相棒』亀山に視聴者が魅了される理由

「貴様を正式に警察官として再雇用することが内定した」

 右京(水谷豊)の相棒に復帰するのも電撃的なら、大河内監察官(神保悟志)からのその知らせも突然だった。1月1日放送の『相棒 season21』元日スペシャル(テレビ朝日系)で、亀山(寺脇康文)はそれまでの嘱託職員から、警察官となった。さすがの亀山も戸惑っている様子を見せていたが、決定の詳細をわざわざ衣笠副総監(杉本哲太)に聞きに行くあたりに、亀山らしい猪突猛進な行動力が垣間見えていて、少し笑ってしまった。きっと、一介の警察官は、そんな階級の高い人に直接話に行くことはしないはずだ。

 4代目の相棒・冠城(反町隆史)がいなくなってしまった時は、今後が心配になるくらい、とても寂しそうだった右京も、亀山が帰ってきてからは元気そうだ。ちょっとしたふたりの掛け合いも回を重ねるごとにコミカルになっている。このふたりの雰囲気を楽しんでいる人も多いのではないだろうか。

 大変失礼な話になってしまうが、ノンキャリアから出世の道を歩んでいた神戸(及川光博)、勉学は苦手だが、実は流暢な英語が話せる甲斐(成宮寛貴)、そして頭の回転が早く、相手から巧みに情報を聞き出すことを得意としていた冠城という亀山の後任の相棒たちと比べると、亀山はあまりスマートな方ではない。異国のサルウィンの言葉を通訳できるくらいになっていたので、やればできるのだろうが、いつも右京に嬉々として自分の推理を話すが、それは観ている私たちもすぐに違うとわかるくらい的外れなものだし、初代の頃よりかは随分ましになっているようにも感じられるが、未だに後のことを考えているのか怪しい行動もする。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる