後悔を抱える大人たちに捧げる 『伝えたかった、アイラブユー』亡き父と娘が旅する6日間

親子が6日間の旅で見つけるセカンドチャンス

 父と娘が共通して抱えている問題は「悔やみきれない後悔」であり、それを修復するために何ができるのか、人生のセカンドチャンスをめぐって物語はドラマティックに展開していく。本作の原作・脚本・総指揮を手掛けているのは、フランスのベストセラー作家マルク・レヴィ。これまで彼の小説は世界各国で翻訳されていて、処女作はハリウッドで『恋人はゴースト』というタイトルで映画化されて大ヒットを記録。2020年には「アメリカでもっとも読まれたフランス人作家」として注目を集めた。そんなレヴィのスマートでロマンティックなストーリーテリングが、このドラマでも味わうことができる。

 6日間の旅で、これまでジュリアには見えていなかった父親の別の姿が浮かび上がっていく過程は親子のドラマとして胸を打つし、ジュリアが運命の人を探す後半は、過去と現在を交差させながらロマンティックに盛り上がる。そして、最後に明らかになるアンドロイドの秘密。といっても、『伝えたかった、アイラブユー』は波乱万丈の展開で引っ張っていくドラマではない。ここには、ゆったりとした時間が流れていて、原作者のレヴィ自らが演じているジュリアの友人ロベールをはじめ、登場人物はみんな優しく、どこか不器用。そして、再び寄り添おうとする親子や恋人たちの姿が、暖かな眼差しで描き出されていく。そんな本作は、後悔を抱えて生きる大人たちに捧げたホロ苦くて心温まるラブストーリーだ。

【予告編】『伝えたかった、アイラブユー』ジャン・レノ等メインキャスト&原作者インタビュー

■放送・配信情報
『伝えたかった、アイラブユー』字幕版
Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX」にて独占配信中
※1月26日(木)まで第1話無料配信中
BS10 スターチャンネルにて、2月7日(火)放送開始
※2月5日(日)12:15~第1話無料放送
原作・脚本・製作総指揮・出演:マルク・レヴィ
脚本・監督:ミゲル・クルトワ
出演:ジャン・レノ、アレクサンドラ・マリア・ララ、アレックス・ブレンデミュール、マルク・レヴィほか
©Jean-François Baumard / TCC /STUDIOCANAL.
公式サイト:https://www.star-ch.jp/drama/allthosethings

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