『舞いあがれ!』由良先輩が舞を再び支える? 朝ドラの“重要人物”再登場シーンを振り返る

朝ドラの“重要人物”再登場シーンを振り返る

 大学のサークル「なにわバードマン」の先輩たちや、航空学校の仲間や教官との出会いを経て、いよいよ本格的にパイロットの道を進んでいく、連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)のヒロイン・舞(福原遥)。近年の朝ドラでは、ヒロインの人生に大きな影響を与えた人物が、物語から一度退場した後に、再び登場することで視聴者を沸かせてきた。これまでにどのようなキャラクターが再登場したのかを振り返りつつ、舞の前に再び現れるかもしれない人物を考察してみよう。

 まず思いつくのは、『半分、青い。』(NHK総合)の「マアくん」こと正人(中村倫也)だ。ヒロイン・鈴愛(永野芽郁)が漫画家を目指して上京した直後に知り合い、恋に落ちる。その後、鈴愛から告白されるも、マアくんは「そんなつもりじゃなかった」と突き放して姿を消し、視聴者に“マアくんロス”を引き起こした。失恋に落ち込んだ鈴愛を3日間泣き続けさせるという、大きな影響を与えた人物だ。

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 実際は、鈴愛と幼なじみの律(佐藤健)が惹かれ合っていることに気付いていたマアくんは、二人の邪魔はできないと思い、去っていったのだ。そんなマアくんは約20年後に再登場し、離れていた鈴愛と律の縁を結び直す役割を果たす。マアくんは“ゆるふわ”な雰囲気や優しい言葉遣いで、再登場後も視聴者を魅了した。

 『スカーレット』(NHK総合)では、ヒロイン・喜美子(戸田恵梨香)が住み込みで働く「荒木荘」で、女中の仕事を一から教えてくれた大久保さん(三林京子)だろう。ストッキングを修繕するという面倒な仕事を大久保さんから押し付けられていると喜美子が勘違いしていたが、実は給料の安い喜美子のことを思い、大久保さんが内職で稼げるように助けてくれていたエピソードが印象的で、喜美子を成長させた人物の一人だった。結果的に喜美子の実家の窮地まで救ってくれた大久保さんは、喜美子に女中の仕事を引き継いで、「荒木荘」を去った。

 その後、喜美子が陶芸を始め、穴窯で陶器を焼くことに何度も失敗していた頃、気分転換のためにちや子(水野美紀)のもとを訪ねると、そこに大久保さんが現れる。大久保さんの「気張んなはれ! 家の中の仕事ができる女は何でもできる!」と、喜美子を励ます様子に感動する人が続出し、“神回”だと絶賛された。

 さらに『エール』(NHK総合)だと、主人公・裕一(窪田正孝)が作曲を始めるきっかけとなった、日本を代表する西洋音楽の作曲家・小山田耕三(志村けん)が、裕一と妻・音(二階堂ふみ)の夫婦二人三脚の物語にとって重要な人物だった。

 小山田が再登場したのは、番組の最終回。病に伏す裕一のもとに、小山田が亡くなる直前に裕一に宛てて書いたという手紙が届く。小山田は、裕一の作曲家としての活躍が自分の地位を脅かすのではないかと恐れていたこともあり、コロンブスレコードに裕一を専属作曲家として推薦する際に、自分と同じ西洋音楽の作曲家としてではなく、あえて流行歌の作曲家として推薦したことを手紙の中で謝っていた。

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 小山田を演じる志村けんさんは、このシーンの放送時には他界していた。だが、回想シーンとして小山田を再登場させるにあたり、撮影現場で笑っていた生前の志村けんさんの映像が偶然見つかり、その映像が本編で使用され、奇跡の再登場シーンとなった。

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