サッカーアニメ&マンガの主人公の“ポジション”を通じて考える、日本代表の立ち位置
サッカーエンタメの後押しで日本サッカー力はさらに上昇……してほしい
2022年、特に話題になったサッカーアニメの主人公のポジションを見てみると『アオアシ』の青井葦人はFWから転向した左サイドバックで、『ブルーロック』の潔世一はエゴイスティックなフォワード(ストライカー)です(日本のドイツ相手の勝利をきっかけに、『ブルーロック』は海外でも評判だというのがわかったのは記憶に新しいところ)。
前者は2015年、後者は2018年に始まったマンガが原作ですが、作品内で各ポジションについての扱いがとても重く、言及内容も深いのが特徴です。ワールドカップイヤーとはいえ、こうした正統派の作品のアニメと並んでフットサルがテーマの『フットサルボーイズ!!!!!』や、かつての大ヒットアニメの続編ながら独特な味わいを加えまくった怪作『シュート! Goal to the Future』も放送された事実は、日本におけるサッカーエンタメの層の厚さの象徴と言えるでしょう。
この流れは現在進行系で、『週刊ヤングジャンプ』で最近連載が始まったマンガ『カテナチオ』の主人公はセンターバックです。ほかにも近年にはセンターバックが主人公の『Mr.CB』やゴールキーパーが主人公の『蒼のアインツ』といったマンガも生まれました。ここまで綴ってきたように、日本のエンタメにおける“サッカー”の扱いの深化は明らか。スペイン戦や目下開催中のワールドカップの結果はどうあれ、こうした影響を受けるであろう今後の日本サッカーの未来は明るいものになると信じていいのではないでしょうか。