小栗旬、『鎌倉殿の13人』義時の“闇落ち”に本音を吐露 「八重さんが亡くなってなければ」

小栗旬、『鎌倉殿』義時の“闇落ち”に本音

 現在佳境を迎えている大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)。鎌倉をめぐる物語は残すところあと4回となった。そんな中、11月25日放送の『あさイチ』(NHK総合)に主人公・北条義時を演じる小栗旬が登場し、撮影の裏側について語った。

 視聴者の間で話題になっているのが、闇落ちといわれる義時の最初と後半の変化だ。伊豆のいち豪族の次男だった小四郎(義時)が、回を重ねるごとに変貌していくさまを見て、番組MCを務める博多華丸が「『クローズZERO』になっていますよ」と小栗が主演を務めた映画に準えると、小栗は笑い声をあげた。小栗は「すごくいい子だったんですけどね」と物語序盤の義時を振り返る。史実も把握し、脚本家の三谷幸喜からも義時の変貌をある程度聞かされていたと話す小栗だが、「本当に第40回ぐらいからですかね。まさかこんなに悪いやつになるとは思わなかった」と語り、演じながらもさみしい感情を抱いていたと話す。「僕の本当の心の中では、このくらいにかえりたいなという気持ちは(あった)」とも口にしていた。

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 続いて、義時の最初の妻・八重を演じていた新垣結衣からの手紙と、2番目の妻・比奈を演じていた堀田真由からのメッセージが届いた。メッセージをきっかけに、座長としての意識について問われると、小栗は誰でも意見が言える風通しのいい現場だったからこそ「入ってくる若い人たちが変に気負ったり、緊張したりしないで過ごせるような環境にはしたいなと思ってました」と語った。

 小栗は共演者と演技についてすり合わせを行うだけでなく、スタッフとも綿密に話し合いを行っている。チーフ演出の吉田照幸は「小栗さんがスタッフ全員に声をかけてくれるからスタッフも報われた気分になる」「写真リストを作って全員を覚えていたのはスゴイ」とコメント。小栗は「スタッフさんとのコミュニケーションに関しては、基本いつでもどの現場でも同じようにしたいなと思っているんです」と語っていた。

 リラックスした現場の話題では、作品作りに対する小栗の真摯な姿勢が伝わってきた。チーフ演出の吉田の「俳優がパフォーマンスを発揮するのはリラックスした状態」という言葉にうなずいていた小栗は、「役が緊張しているというのはあっていいと思うんですけれど、役を演じる人が緊張してるという緊張感は必要ない」「何度もやって、みんなでリラックスした状態で撮った方がもの自体はよくなると思っているので」という考えを述べる。共演者やスタッフのコメントからも十分伝わってくるが、分かりやすい言葉選びで誠実に回答する小栗の姿からは作品作りへの強い意志が感じられた。『鎌倉殿の13人』を魅力的な作品にするために、その作品に関わる全ての人とコミュニケーションをとり、妥協せず、丁寧に作り上げていったのだとわかる。

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