目黒蓮、『舞いあがれ!』で『silent』と違う一面を披露? “ハマり役”続くか

目黒蓮、朝ドラで『silent』と違う一面

 手話で会話するようになっても“言葉”への向き合い方はより慎重で、想の手話は優しく鋭さがない。指先まで優しくそっと言葉をなぞるのだ。そんな想が第1話で見せた紬を振り解き切れず、8年前の気持ちを手話で一方的に投げかけるシーンは、堰を切ったように全身から次々と絞り出され溢れ出す手話が圧巻で思わず飲み込まれてしまった。

 8年前の悔しさや苦しみ、迷いや葛藤をまるで昨日のことのように手話に乗せて訴える想の姿に、改めて彼の中で、その時点で時間が止まってしまっていることや、今の想は当時の延長ではない世界に自分自身を追いやってしまっていること、何かをすっぽりその時点に置いてきてしまっていたのだろうことが一瞬で伝わった。瞬間冷却された当時の感情をみるみる今の自分に手繰り寄せ、当時泣き切れなかった自分の分まで今の想が泣いている、そんな様に観ているこちらも感情を大きく大きく揺さぶられてしまう。こんなにも“ハマり役”というものが存在するのだろうかと改めて思わされる。

 これまで『舞いあがれ!』のヒロイン・舞のそばには、遠慮しがちな舞をさりげなく気遣ってくれる貴司(赤楚衛二)や、先輩として舞を信頼してくれる刈谷(高杉真宙)、鶴田(足立英)のような男性はいたが、同期でライバルになる柏木のような存在はいなかった。『silent』第8話の放送を待ちながら、想とは全く違うどこか排他的な雰囲気も滲ませていそうな柏木役を朝ドラの別の世界線で拝ませて頂こうではないか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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