高橋文哉、“もっと知りたい”を引き出す存在感 『君の花になる』でどんな花を咲かせる?

高橋文哉、“知りたい”を引き出す存在感

 “どうしても奇跡が見たい”と思わせられる『君の花になる』(TBS系)の崖っぷちボーイズグループ・8LOOM(ブルーム)。あと半年間で配信チャートで1位を取らなければ解散という厳しい条件を所属事務所から突きつけられている中、弾(高橋文哉)が作った楽曲が堂々の1位を獲得し、多くの人の前で歓声を浴びながら歌って踊る彼らの姿が見たいと、どうしたって応援したくなってしまう。

 そんな彼らを率いるのが高橋文哉演じる弾だが、彼は単なる“ツンデレ”ではなく、なんとも不器用で誰より自分自身に厳しく責任感が強い。それなのにいつだって言葉足らずで、あらぬ誤解を招いて孤立してしまったり、どちらかと言えば損ばかりしているように見える。常に自分自身と闘っているが故、どうしても周囲にも厳しくストイックになってしまい、甘えたり頼ったりすることもめっぽう苦手だ。

 それが寮母で高校時代の元担任教師だったあす花(本田翼)との再会により、彼の心が徐々に徐々に解きほぐされ、本来彼が持つ魅力により磨きがかかり炸裂していく。あんなにクールでリーダー然としているのに、商店街のイベントで着ぐるみを着ながらあす花の近くにいたのがバレそうになり、転んで着ぐるみの頭部が脱げてしまう瞬間などはしっかりクスリと笑わせてくれる。笑顔を見せるでもないのに、かわいらしさや愛嬌を滲ませられるのは、高橋が演じ切っている弾の人物像あってこそのことだろう。

 思い返せば、高橋は周囲とどことなく馴染めない役柄を自然と異質感を出しながら演じることが多かった。『先生を消す方程式。』(テレビ朝日系)では表向きは優等生ながら、裏では問題児を束ねて操る暴力的で支配的な顔を持ち合わせる生徒・藤原刀矢役を演じていた。

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