『君の花になる』本田翼の元へ走り出す高橋文哉 心を形にした新曲「Melody」が誕生

『君の花になる』新曲「Melody」が誕生

「“会いたい”とか“好き”とか言いすぎだろ。思ってること、いちいち口に出したらめんどくせぇことになるだろ?」

「でも弾、いつもめんどくせえことになってない? 思ってること全然口に出さないのに」

 火曜ドラマ『君の花になる』(TBS系)第4話は、8LOOM(ブルーム)一人ひとりの個性にスポットが当たり始める。中でも今回は生活能力が低めで、ついメンバーがお世話をせずにはいられない、不思議ちゃん系の巧(NOA)が大活躍。巧らしさ全開で“自分の思いを伝える大切さ”を、弾(高橋文哉)に気づかせるのだった。

 振り返ってみれば、たしかに弾は思ったことを全然口に出さず、それゆえに意図せず周囲をかき乱してきた。かつて音楽室でこっそりと作詞作曲をしていたあのころから、なかなか素直になれずにあす花(本田翼)の心も落ち着かない。今回だって、いきなりあす花に「これが真ん中ささったら、俺とデートな」なんて言い出して周囲を驚かせたかと思えば、実はラブソングを作るための“取材お出かけ”だなんて。誰がその真意まで察することができるだろうか。

 ふと、弾にとって「めんどくせぇことになる」とは一体何を想像しているのかと問いただしたくなる。言ってしまったことへの責任? 誰かの期待に答えられない不安? 抱え込みがちな弾は、自分のことで誰かに何かを背負わせるようなことがしたくないのかもしれない。だが、巧の言うとおり、それゆえにめんどくせぇことになっているというのも皮肉な話だ。そして、きっとそうした不器用なところこそが弾の個性であり、魅力なのだとも感じる。言いたいことも、言わなきゃいけないことも、うまく言えない。だからこそ音楽を作らずにはいられない。そして、ようやく絞り出した言葉は重く響くのだ。

 対して、巧は何にも縛られずに気持ちを言葉にできる人。過去の恋バナをしても、性別に関係なく誰かを好きになる恋愛指向をなんの戸惑いもなく明かすし、動物園で仲間の姿を見失ったら恥じることなく迷子センターに向かう。なんなら、そこでスタッフの心も掴んでしまう。その愛されっぷりは、帰宅してすぐに服を脱ぎ捨てるように、心も着飾ることなくオープンだからにほかならない。「寂しい」「会いたい」「好き」思ったことをまっすぐに伝えることで生まれる変化。誰かに影響を及ぼすこと。それを楽しむことこそが人生ではないか、とでも言いたげな、巧の爽やかな人生哲学の一部を見せてもらったかのような気分になった。

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