寛一郎は“父”の無念をどんな形で晴らすのか 『鎌倉殿の13人』公暁役への高鳴る期待
2017年に俳優としてデビューした寛一郎。2019年放送のTBS日曜劇場『グランメゾン東京』で実直な新人シェフ・芹田公一を演じてその存在感、印象的な演技に心惹かれた人も多かった。
『グランメゾン東京』の“チーム最年少” 芹田公一の姿と重なる、寛一郎の柔軟性
グルメ界でのシェフたちの奮闘を描くドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)にて、その動向から目が離せない若者を演じている寛一郎。彼…
『ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○』(フジテレビ系)では、優しくて頼りになるけれど、どこか影のあるミステリアスな雰囲気のカメラマン、笹目虎太郎を好演。やはり独特の存在感を発揮していた。
そして今回の『鎌倉殿の13人』では、どんな公暁を見せてくれるのだろうか。ちなみに、公暁が出家をしたのは12歳のとき。実朝が鎌倉殿になったのも12歳ということにも何か因縁のようなものを感じるし、ピュアな実朝に対する複雑な公暁の心情、気持ちの変化を見逃してはならないとも思う。
修行していた園城寺では優秀な僧で人望もあったという公暁。厳しい修行も「立派な鎌倉殿になるため」という思いがあったとしたら、「鎌倉殿にはなれない」と宣告されたときのショックはどれほどのものだったか。自信満々だった青年の存在意義が揺らぎ、孤独や絶望を感じたとき、目の前に分かりやすい敵を作ってしまうことがあるのかもしれない。
悲劇的な死を遂げた父の敵討ちを心に秘め、最終的には実朝を狙うほかなかった公暁。彼が本当に手に入れたかったもの、そして受け入れがたい運命に翻弄され、憎悪の感情に振り回されてしまう悲しみ。『鎌倉殿の13人』が描いてきた死の中でも人一倍反響の大きかった上総広常を“父”佐藤浩市が演じていたこと。そして、父・頼家の無念を晴らす公暁を寛一郎が演じること。この見事なキャスティングには唸らざるを得ない。彼が引き起こす事件の衝撃の大きさも含め、ドラマにさらなる波乱を巻き起こす寛一郎の演技に期待したい。
■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:小栗旬
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK