市原隼人、『鎌倉殿の13人』最後の出演を振り返る 八田知家役は「人生で一番悩みました」
毎週日曜日に放送されているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』八田知家役の市原隼人よりコメントが寄せられた。
NHK大河ドラマ第61作目となる本作の舞台は、平安時代後期から鎌倉時代初期。義兄でもある鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(大泉洋)にすべてを学んだ二代目執権・北条義時(小栗旬)を主人公に、武士の世を盤石にした彼の生き様、翻弄された周囲の人々を描き出す。脚本を『新選組!』『真田丸』に続き大河ドラマ3作目となる三谷幸喜が手掛ける。
第42回「夢のゆくえ」では、八田知家が自らの引退を決める模様が描かれた。
八田知家は市原にとって、「本当に難しかった」役柄だったそうで、「人生で一番悩みました。難しかったです。この役は本当に難しかったです。ただ、この八田知家という役を通じて、今回この『鎌倉殿の13人』、こんなに愛をもらえるとは思っていなかったです。本当に死ぬほどうれしいです。何にも変えられない財産をいただきましたので、本当にすてきな、貴重な経験をさせていただいて心から感謝しています」と感謝の思いを述べた。
自らの意思で引退を決めた八田については、「自分を納得させるために自分で自分の生き方を選ぶ、自分の主君は自分である、という思いでずっと演じていました」とコメントを寄せた。
市原隼人(八田知家役)コメント全文
自らの引退を決める知家について
自分ではない誰かの思想で未来を決めるのではなく、己の道を自分で決めていくというのが八田らしいなと思いました。どの時代も、時代につくられてしまう人間が多いと思うんです。その中で、時代につくられるのか、時代をつくるのかと言うと、知家は「自ら時代をつくってやろう」と。存在意義を、精いっぱい旗を振りながら「俺はここで生きているんだ」というのを、必死に汗をかいて。それが決して押しつけではなく、誰かに認めてほしいわけでもないと思うんです。自分を納得させるために自分で自分の生き方を選ぶ、自分の主君は自分である、という思いでずっと演じていました。
船を海に浮かべることができなかったことについて
ロマンなんですよ。やっぱりなんでもロマンです。こういう時代劇であっても当時のことを知っている人間はいないんです。「日本人はこうであってほしい」という、ある意味ロマンが含まれていまして、それがまたNHK大河ドラマなりのロマンを描かせていただいているわけで、その中の八田知家というのは、それもまた八田知家が思うロマンですので。「こうなりたい」「こうしたい」という思いももちろん大事なんですけど、そこに向かっていく思いが一番、自分を強くしてくれるんです。形ではなく目には見えないプロセスを一番大切にする知家としては、失敗だとか、できなかったということは思ってはいないのではないでしょうか。まだまだこれからやり続ければ、途中で終わったということはないですし、諦めなければいつかは成功すると思いますので、そんな思いでやっていました。
八田知家として過ごした時間
人生で一番悩みました。難しかったです。この役は本当に難しかったです。ただ、この八田知家という役を通じて、今回この『鎌倉殿の13人』、こんなに愛をもらえるとは思っていなかったです。本当に死ぬほどうれしいです。何にも変えられない財産をいただきましたので、本当にすてきな、貴重な経験をさせていただいて心から感謝しています。
■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:小栗旬
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK