酒井若菜、“脇役”で重要な地位を築く テレ東のピンチを救った『絶メシ』投稿も話題に

酒井若菜、“脇役”として重要な地位を築く

 松重豊主演の『孤独のグルメ』シリーズに次ぐ、と言っても過言ではなかろう人気を誇るテレビ東京の飯テロドラマ『絶メシロード season2』が放送中だ。毎週金曜日の深夜にひっそりと放送されているが、『孤独のグルメ』と同じくコアなファンが多い。実は10月10日、season2の第7話が再放送される予定だったが、何かの手違いで2020年に放送されたseason1の第7話がオンエアされたことが話題になった。そんな異例の放送事故にも視聴者から好意的な意見が番組公式Twitterに寄せられていたのが印象的だ。

 グルメサイト「絶メシリスト」を原案とした本作は、 濱津隆之演じる平凡なサラリーマン・須田民生が週末に絶滅しそうな絶品メシ=絶メシを求めて、一泊二日の車中泊の旅に出る姿を描いている。再放送のトラブル時に民生の妻・佳苗役の酒井若菜も自身のTwitterで「絶メシが好きなかたはこういう緩さも込みで楽しんでくれそう」とコメントしているように、このドラマは何の気負いもせずにゆるりと観れるのがいい。

 もちろん、ドラマのメインである実在の絶メシにまつわる人情話に胃のあたりがポカポカさせられるのだが、個人的にseason2は民生と佳苗のやりとりも大きな見どころになっている。season1では高校生だった娘の紬(西村瑠香)が卒業後に家を離れ、何十年ぶりかの夫婦2人暮らしが始まった。相変わらず妻強しの須田夫婦だが、以前よりも本当にほんのちょっぴりだけど甘いムードも漂っている気がする。お互いに干渉することなく、だけど優しさも愛情も確かに感じられる2人の距離感に癒されている人も多いだろう。そして家庭でも会社でも立場の弱く、常に困り顔の濱津もいい味を出しているのだが、何より酒井若菜の可愛さたるや。今年で芸能界デビュー27年目を迎える彼女だが、昔も今もその笑顔の破壊力はちっとも衰えるところを知らない。

 1990年代末、グラビアアイドルとして一世を風靡した酒井。文筆家としても才能を発揮する彼女は自身のブログ、また後に『心がおぼつかない夜に』(青志社)のタイトルで発売されたエッセイの中でも綴っているが、当時アシスタントを務めていた深夜番組でテリー伊藤の目に留まり、その後いろんな番組にタレントとして出演するようになる。この頃といえば、同年代の小池栄子やMEGUMIらも独自のキャラで知名度をあげていた時期。そして3人ともほぼ同じ時期に女優デビューを果たしているが、いち早く演技をメインの仕事にしたのは酒井だった。

 酒井若菜と聞けば、まず宮藤官九郎脚本作『木更津キャッツアイ』(TBS系)のモー子を思い出す人が多いのではないだろうか。かなり振り切って演じたモー子は今日あまり見かけない超ド級のぶりっ子キャラだが、嫌味がなくて真っ直ぐで性別問わず誰もが彼女のキュートさに虜になった。『私立探偵 濱マイク』(読売テレビ・日本テレビ系)や映画『恋の門』などでも人気を博すが、その絶頂の最中である2005年に体調不良による休業を発表。1年後に復帰を果たすも仕事が激変し、大きな挫折を味わった経験を前述したエッセイなどでも赤裸々に綴っている。

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