ディーン・フジオカ、中村倫也、松下洸平 朝ドラを飛躍の機会にした人気俳優たち
朝ドラに出演することで日本中に顔と名前を知られ、その後活躍の場が一挙に広がる俳優は多い。
それまでは日常的にドラマや映画を観ない人には名前を憶えられていなかったとしても、朝ドラという、毎日半年間続くドラマに出演し同じ役を演じ続けることで、かなりの人数の人の記憶に“その俳優=その役の人”としてしみこんでいく(しかもお昼過ぎに再放送もしているので、蕎麦屋や定食屋でついていたテレビでなんとなく観て記憶する会社員も多いらしい)。
今回は、2015年以降の朝ドラで大ブレイクし、現在活躍中の俳優に注目したい。
ディーン・フジオカ
ディーン・フジオカ、“2回目”の五代友厚をいかに演じた? 吉沢亮との共闘を明かす
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2015年度下半期放送『あさが来た』(NHK総合)で、幕末から明治にかけて実業家として活躍した五代才助(友厚)を演じたのがディーン・フジオカ。
そこまで愛されるキャラクターに育ったのは、五代役が、ジェントルかつノーブルというディーン・フジオカ本人のイメージと完全にシンクロしたからだろう。その後さらに2021年放送のNHK大河ドラマ『青天を衝け』で、再度彼が同じ五代友厚を演じるというミラクルまで起きる。
次に彼は2016年の冬ドラマ『ダメな私に恋してください』(TBS系)に出演。主人公・柴田ミチコ(深田恭子)の元上司(主任だったので深キョンは「主任」と呼ぶ)であり、喫茶店のマスター・黒沢歩を演じた。
イケメン眼鏡男子でありさらにドS、という、一見マンガでしか成立しないようなキャラクターが、彼の浮遊感のある絶妙な演技でキツ過ぎるキャラになることなくうまく立体化し、またもその魅力にKOされる女子が続出。ここでもドラマ終了後、「主任ロス」の言葉が飛び交った。
2019年、『シャーロック』(フジテレビ系)のファッショナブルな探偵・誉獅子雄役で主演を務める。変人、でも頭が切れる探偵、という古典的な役を軽やかに楽しそうに演じ、バディである若宮潤一(岩田剛典)、すぐ獅子雄に頼ってくるおさぼり刑事、江藤礼二(佐々木蔵之介)との掛け合いも面白く、男性のみのチームでも相性がよいところを見せた。本当に弾いているのかと驚かされ、本人も「猛特訓した」と語っていたバイオリンを弾くシーンも印象深い。
そして2022年には、『連続ドラマW HOTEL -NEXT DOOR-』では、経営が傾いているホテル・プラトンを立て直すために呼ばれた総支配人・三枝克明を演じた。三枝の通称は「ホテル座の怪人」。彼が何かしようとすると、どうしてもヨーロッパの匂いが漂ってしまうようだ。主演が続き、すっかり人気が安定した感があるが、個人的には三谷幸喜監督の映画、『記憶にございません!』で演じていた、ひょうひょうとした首相秘書官のような一歩引いた役や、本気の悪役などもぜひ観てみたい。
中村倫也
中村倫也、“マアくん”としてひと回り成長 『半分、青い。』いよいよ最終章へ
半年間に渡り放送されてきた『半分、青い。』(NHK総合)が、いよいよあと3週で最終回を迎える。第22週にて「戻りました!岐阜編」…
朝ドラ『半分、青い。』(NHK総合)でヒロイン・鈴愛(永野芽郁)の初恋相手、朝井正人を演じた中村倫也も、今や説明がいらないくらいの活躍ぶりだ。正人の初登場シーンでは、飼っている子猫を自分の肩に乗せるという可愛さ全開の姿を見せ、その絵面の破壊力にファンは歓喜。今でもネット上では大量のその画像が見られる。別シーンでは、水玉柄パジャマで子猫を抱くあざとかわいい姿も見せている。
それまでにも出演作品は膨大にあったが、全国規模の認知度ではなかった状態が、朝ドラ出演と、その役が強烈な印象を残すキャラクターだったため、一挙に顔も名前も知られることに。続く2018年の『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)では、松本まりか演じる妻を肉体的にも精神的にも虐待して追いつめる狂気の夫、井筒渡役で視聴者を震撼させた。井筒の非道ぶりを際立たせたフレームレス眼鏡姿に、沼落ちしたファンも多い。
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7月期のTBS金曜ドラマ『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』で、1回で司法試験予備試験と司法試験に合格した高卒の弁護士・羽男…
そのまま2022年現在までドラマ出演は途切れず、終了したばかりの『石子と羽男 ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)では、弱点もあるが特殊な記憶力を武器に、石田硝子(有村架純)と共に市井の人々を助けていくコミカルな弁護士、羽根岡佳男役で、新たな魅力を見せつけた。
ともすれば「器用で演技力のある、重宝されるバイプレーヤー」として定着しかねなかった状況が朝ドラ出演で一変。彼の演技力の高さが大勢に知られ、ドラマと並行して映画、舞台でも活躍し、主演でもダブル主演でもカメオ出演でもなんでもできる無敵状態が続いている。
10月には、MUSICAL『ルードヴィヒ ~Beethoven The Piano~』でベートーべンを演じる。定評の高い歌も披露されるので楽しみだ。