『赤いナースコール』チャイコフスキー犯の正体とミスリード アリサのもう一つの顔とは?

『赤いナースコール』アリサにもう一つの顔?

 復讐心に駆られた知能犯と殺人マニアの猟奇犯。動機が明らかになり犯人の目星がついた。電動ノコギリ男の榎木田と、チャイコフスキー犯の石原は示し合わせて殺人を遂行していた。玲子(渡辺真起子)は黙認し、西垣(浅田美代子)は313号室を監視、山根(ベッキー)が津田をおびき出すなどして協力していた。一件落着のはずだが、どこか釈然としない。喉の奥に刺さった小骨のような違和感の正体を探るとアリサ(福本莉子)に行き着く。翔太朗と313号室の患者たちは榎木田のターゲットで、主だった関係者は死亡。残されたアリサは今作のヒロインだが、一方的に犯人の影におびえるだけの役回りになってしまう。

 アリサの実家に向かう途中で翔太朗たちは事故に遭い、アリサは顔面に傷があると思い込まされていた。アリサが翔太朗を榎木田記念病院に入院させるために必要な駒だったとしても、それだけで説明がつかない事象が存在する。最大の謎は、アリサが電動ノコギリ男の正体を知っていることだ。アリサは後藤田殺害の一部始終を目撃している。いくら室内が暗くても正面から顔を見ているはずだ。それにもかかわらず、翔太朗や工藤(池田鉄洋)に何も言わないのは不自然である。第4話で電動ノコギリ男に襲われた際、アリサの位置から犯人の顔が見えていた可能性があり、疑惑が再燃した形だ。

 考えられる仮説は二つだ。まず電動ノコギリ男がアリサの知っている人物で、口止めされているか一時的に記憶喪失になっていることが考えられる。もう一つは、アリサが電動ノコギリ男本人である可能性だ。滝中が翔太朗とアリサの部屋に行こうとして殺されたこと、後藤田が犯人の存在に気付かなかった理由はアリサが殺人犯だから。アリサの中に自分でも気づかないもう一つの顔があるのかもしれない。

■放送情報
ドラマプレミア23『赤いナースコール』
テレビ東京系にて、毎週月曜23:06~23:55放送
Paravi、ひかりTVにて、地上波放送終了後に配信
出演:佐藤勝利(Sexy Zone)、福本莉子、池田鉄洋、ベッキー、木村了、山本浩司、橋本淳、森田甘路、大水洋介(ラバーガール)、堀口紗奈、板尾創路、浅田美代子、鹿賀丈史
企画・原作:秋元康
監督:本橋圭太、上田迅
脚本:秋元康、宮本武史、服部隆、吉崎崇二
音楽:矢野博康
主題歌: みゆな「凝視」(A.S.A.B)
オープニングテーマ:Sexy Zone「Sleepless」(Top J Records)
チーフプロデューサー:森田昇(テレビ東京)
プロデューサー:北川俊樹(テレビ東京)、平部隆明
制作:テレビ東京、ホリプロ
製作著作:「赤いナースコール」製作委員会
©「赤いナースコール」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/akanasu/
公式Twitter:@tx_akanasu
公式Instagram:@tx_akanasu

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