青春群像劇が世に送り出した若手俳優たち 『テッパチ!』一ノ瀬颯、藤岡真威人も続くか

『テッパチ!』一ノ瀬颯、藤岡真威人ら飛躍か

 ドラマ『テッパチ!』(フジテレビ系)が9月14日に最終回を迎える。本作は、陸上自衛隊という舞台で青年たちの青春群像劇を軸に物語が展開された。自衛隊候補生の活動が描かれた第1部では男子校のような雰囲気も感じられ、学園もののようなキャラクター同士の掛け合いも見どころの1つとなっている。

『テッパチ!』第8話

 過去に制作された青春群像劇は多くが学園ドラマであり、若手俳優を中心にキャスティングされ作品の人気と共にその後俳優自身がブレイクすることも多い。2000年代にはドラマ『WATER BOYS』(フジテレビ系)や『花ざかりの君たちへ〜イケメンパラダイス♂〜』(フジテレビ系)、『ROOKIES』(TBS系)などが放送され、主演級の俳優が多数生徒役に名を連ねていた。今見返してみると、そのキャストの豪華さにきっと驚くはずだ。

 それ以降も多くの青春群像劇が制作され、近年大活躍を続けている吉沢亮と芳根京子は、“青春群像劇”がブレイクのきっかけとなった俳優の代表例だろう。

 吉沢亮は2014年放送のドラマ『水球ヤンキース』(フジテレビ系)に出演し、千葉雄大、中川大志と共に3バカトリオを演じた。“アイドル好きで特に橋本環奈が大好き”というユニークな設定も大きな反響を呼び、本作出演をきっかけに大きくブレイクしている。以降は多くの映画やドラマ作品に出演し、映画『キングダム』では「第43回日本アカデミー賞」最優秀助演男優賞を受賞した。確かな演技力に加え、『東京リベンジャーズ』や『トモダチゲーム』など漫画原作の映像作品に出演する機会が多く、原作ファンからも信頼を寄せられている。また2021年放送の大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)では平成生まれでは初となる大河の主演を務めた。

 芳根京子は、2015年放送のドラマ『表参道高校合唱部!』(TBS系)でテレビドラマ初主演を務めたことをきっかけに、翌年放送の連続テレビ小説『べっぴんさん』(NHK総合)で朝ドラヒロインを務め、芳根の名前が広く知れ渡ることとなった。以降も、映画『累 -かさね-』やドラマ『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)、『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京)などに出演。2018年に放送されたドラマ『チャンネルはそのまま!』(HTB)では、業務功績を期待されずにテレビ局に採用された新人記者を演じた。本作では特に芳根の演技力が光っており、報道記者のイメージとかけ離れたハイテンションで猪突猛進なキャラクターを見事に表現し、作品の評価と共に芳根自身も注目されるきっかけとなっている。HTB開局50周年記念作品で総監督は本広克行、監督は藤村忠寿らと注目が集まる座組みでプレッシャーのかかる中、堂々と主演を務め上げ、高評価を得た。2022年も『真犯人フラグ』(日本テレビ系)、『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレビ朝日系)、『オールドルーキー』(TBS系)と重要なポジションで好演を見せている。

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