『トモダチゲームR4』ラストで見せた浮所飛貴の不適な笑み 友一のなかに眠る悪とは

『トモダチゲームR4』友一のなかに眠る悪

 新・考察系ドラマ『トモダチゲームR4』(テレビ朝日系)が、9月11日に最終回を迎えた。賞金ひとり占めの脱獄を目論んでいたクロキ(深水元基)が、天国から地獄へと突き落とされるところから「友情の檻ゲーム」の真相が明らかになる。

 友一(浮所飛貴)と紫宮(藤井直樹)は、「これくらい、当たり前でしょう?」と言わんばかりにポンポンと手の内を明かしていくのだが、その内容はきわめて難解。しかしクロキが視聴者の声を代弁するように質問を投げかけるおかげで、話はグンと飲み込みやすくなる。運営のルール説明の時点で違和感を抱いたのはきっとこの二人だけ。考察ドラマらしい、すっきりとしたどんでん返しだった。

 その後、友一を待ち受けていたのは最終ゲーム「トモダチ絶交ゲーム」。ノベル(菊池風磨)によって檻のなかに閉じ込められた天智(佐藤龍我)、四部(井上瑞稀)、ゆとり(横田真悠)、志法(久保田紗友)のなかから、真の裏切り者を見つけ出し、その関係を断てというものだ。

 次回予告の時点でもひっかかったのだが、ここでいう「裏切り者」とは一体、何を指すのか。正直なところ、リアルタイム視聴ではその点がなかなかはっきりとしなかった。たとえば、内緒でトモダチゲームに申し込んだのは天智であるし、運営にもぐりこんで「友情の檻ゲーム」を観察していたのは志法だ。友一含めCグループの全員が大なり小なり、そして悪意の有無に限らず、嘘をつき、裏切りもはたらいた。しかし、友一がかつて言った「運営をぶっ潰す」という言葉、そして結論を受け止めてみると、「運営に関わっていた人間=裏切り者」という理解なのだろう。

 裏切り者の正体は、ゆとり。「友情の檻ゲーム」にて繰り返した「ユートピア」を目指して、トモダチゲームを考案した人物こそがゆとりだった。トモダチゲームの惨状、お金に揺さぶられる友情、トモダチの関係が醜く壊れるほど喜ぶ配信視聴者を目の当たりにしたゆとりは、自分たちの友情を確かめたかった。いじめられっ子だったゆとりが手に入れた、幸せな日常。「いつか失うのでは」と、不安だった気持ちはとてもよくわかる。

 クロキを巻き込んだ「大人のトモダチゲーム」も、裏で手を引いていたのはゆとりだった。自分を守るため、身代わりとなって暴力を受ける友一の姿にゆとりの口元が緩むシーンがあったが、条件付きの愛情も、痛めつけられる友達を見て安心することも、本来ならどちらも友情ではない。それは一言、添えておきたい。

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