田中圭と池田エライザが抱えた“喪失”と“希望” ペットの概念を考え直す映画『ハウ』
本作でハウを通じた心の成長を見届ける中で、ペットという概念とも向き合う。民夫の同僚で民夫に寄り添うヒロイン・足立桃子を演じる池田エライザは「私は、そもそも“ペット”という言葉や、“買う”という言葉についてすごく慎重に考えているんですけど、イコール家族を迎えるということと同じじゃないですか」(※3)とインタビューで語った。配偶者も、意志で“選択できる家族”であるが、相手側に立つと、動物たちは配偶者のように意志を持って離れたり、自分で一緒にいる家族を選ぶことは難しい。親や兄弟姉妹と引き離されることもある。その中で、いかに存在を尊重して幸せでいてもらえるか。「かわいいだけじゃダメなんですよね」(※3)という池田の言葉が心に残る。
池田エライザが語る『ハウ』がくれる豊かな気持ち 「自分のことを好きかもと思える」
8月19日から公開される、俳優犬のベック演じるハウと田中圭演じる民夫の切なくも心温まる映画『ハウ』。主人公・民夫の同僚ながらも、…
本作は、ハウ役を演じる俳優犬・ベックの演技力も魅力のひとつ。犬や猫が登場する動物映画を数多く手がけてきた犬童一心監督が、ベックはこれまで出会った犬の中で最も“演技というものをするんだ”と関心したというが(※4)、素人目にもベックの表情の豊さに驚かされる。シュンとした表情も、楽しそうに駆け回る笑顔も、見事に演じ分ける。また、とあるシーンでハウが人の腕を引っ張る様子が映し出されるが、ワイヤーは使うものの、実際にベックが腕を加えて引っ張ったというから驚きだ(※5)。ベックの演技力にも注目して観てほしい。
田中圭と戯れるメイキング写真も 『ハウ』犬童一心監督も絶賛の俳優犬ベックの魅力
8月19日に公開される映画『ハウ』のメイキング写真が公開された。 『ゼロの焦点』『のぼうの城』などで日本アカデミー賞監督賞を…
参考
※1. https://www.amed.go.jp/news/release_20211118-02.html
※2. https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1439458
※3. https://realsound.jp/movie/2022/08/post-1101242.html
※4. https://realsound.jp/movie/2022/08/post-1095916.html
※5.『ハウ』プレステキストより
■公開情報
『ハウ』
全国公開中
出演:田中圭、池田エライザ、野間口徹、渡辺真起子、モトーラ世理奈、深川麻衣、長澤樹、田中要次、利重剛、伊勢志摩、市川実和子、田畑智子、石田ゆり子(ナレーション)、石橋蓮司、宮本信子
原作:『ハウ』斉藤ひろし(朝日文庫)
監督:犬童一心
脚本:斉藤ひろし、犬童一心
音楽:上野耕路
企画・プロデュース:小池賢太郎
プロデューサー:丸山文成、柳迫成彦
企画・製作プロダクション:ジョーカーフィルムズ
製作幹事:ハピネットファントム・スタジオ、東映
配給:東映
©︎2022「ハウ」製作委員会
公式サイト:haw-movie.com
公式Twitter:@haw_movie2022
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