『純愛ディソナンス』対照的な性格の正樹と慎太郎 真っ直ぐで力強い髙橋優斗の芝居

『純愛ディソナンス』真っ直ぐな髙橋優斗

 一方で冴は慎太郎の健気なサポートにより小説家としての夢を絶やさずに、作品を書きあげることができた。過去に立ち返り、自分の経験を小説にしたためることで大きく前進した冴は、改めて正樹に会って思いを清算しようとする。しかしその連絡に正樹の携帯から好意的な返事をしていたのは、冴をコントロールして傷つけようとする愛菜美だったのだ。待ち合わせ場所で待てども、正樹は現れない。そこに冴を迎えにきたのが慎太郎だ。

 真っ直ぐに冴を応援し、危険なことには踏み込まない。太陽の下で真っ当に暮らすのが慎太郎である。正樹と慎太郎のキャラクターはまさに対照的であり、中島裕翔が月の下で涙を流せば髙橋優斗は太陽の下で笑顔を見せる。髙橋の芝居は熱く、真っ直ぐで力強い。

 どんな時も側で支えているのに思いがなかなか通じないというもどかしい役を演じているが、不安や揺らぎを全面に出さず、しっかりと冴を受け止めてくれる安心感がある。その健気さは時として切なく、視聴者は胸を締め付けられることも。尚且つ髙橋の丁寧な芝居が作り上げる健全性によって、本作における多くの人物の異常性や正樹と冴の関係が特異な存在であることがより際立つのだ。第6話は、そんな慎太郎役を演じることの責任と重大さを感じさせるエピソードとなった。

 苦しい挫折を味わった正樹は徐々に色々なものを失っていく。その一方で、冴は慎太郎の手を自らしっかりと握り返し前進することを選んだ。この3人の未来に待ち受けるものを見届けたい。

■放送情報
木曜劇場『純愛ディソナンス』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:中島裕翔、吉川愛、比嘉愛未、高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、筧美和子、和田正人、畑芽育、藤原大祐、神保悟志、手塚とおる、眞島秀和、富田靖子、光石研、佐藤隆太ほか
脚本:玉田真也、大林利江子、倉光泰子、武井彩
演出:木村真人(共同テレビ)、土方政人(共同テレビ)、菊川誠(共同テレビ)
プロデューサー:森安彩(共同テレビ)、関本純一(共同テレビ)
編成企画:高野舞
主題歌:Hey! Say! JUMP「Fate or Destiny」
制作:フジテレビ
制作・著作:共同テレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/lovedisso_fuji/
公式Twitter:@lovedisso_fuji
公式Instagram:lovedisso_fuji

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