『魔法のリノベ』金子大地の新たな魅力が開花 波瑠と間宮祥太朗が魅せる心地よさ

『魔法のリノベ』金子大地の新たな魅力が開花

 夏らしく背筋の凍るようなホラー展開があるかと思えば、泥沼の恋愛劇まで。『魔法のリノベ』(カンテレ・フジテレビ系)の第3話は、別の視点から物事を見ることの大切さを説くエピソードが描かれた。人生誰しも順調なことばかりじゃないからこそ、夜明けの美しさと「人生のリノベーション」は重要なのだ。

 小梅(波瑠)と玄之介(間宮祥太朗)は新たな仕事先に向かう。その家は一見、海の一望できる築浅の優良物件に見えた。しかしよく見ると床のタイルは人の形に敷き変えられており、持ち主の加藤浩昌(迫田孝也)・えみり(トリンドル玲奈)夫妻も何やら言いたげな様子。実はこの家、いわゆる「事故物件」だったのだ。なんとかしてこの家を脱・事故物件にしようとした玄之介は、実際に自分が一晩泊まる決意をした。その晩、衝撃の事実が明らかになる。この家の元の持ち主は有名な作曲家であり、美しい夜明けとピアノの旋律の中で暮らしていたのだった。結果として作曲家は亡くなってしまったが、その死は「事故物件」と呼ばれ忌み嫌われるようなおどろおどろしいものではなく、暖かく美しいエピソードとして加藤夫妻からも受け入れられることになる。

 住まいには“人生”と“物語”がセットであることを繊細に描いた第3話。小梅はこの家を事故物件でなく「エピソード付き物件」だと呼んだが、まさにぴったりの言葉だろう。誰かの想いを継いで、家と人が調和していく様子こそがリノベーションの魔法に違いない。

 今回は小梅の元カレ・久保寺(金子大地)のエピソードもふんだんに盛り込まれた。冒頭から小梅とやり直したいと告白し、久保寺からの大胆なバックハグも。小梅との別れの原因でもある桜子(北香那)の存在に手を焼き、持ち前の可愛らしさで小梅を頼る。さらに小梅に叱責されれば、ちゃんと後を追ってくるという健気な姿も見せた。これまでは、生意気な後輩にして小梅のライバルであり、いけ好かない印象が強かった久保寺だが、一気に親近感の湧く存在に昇格し新たな魅力を開花させた。

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