ベッキーはいつから怪演俳優に? 『赤いナースコール』でも際立つミステリアスな演技

『赤いナースコール』際立つベッキーの狂気性

 いま、ベッキーと聞いてどんなイメージを思い浮かべるだろうか。少なくともかつてのバラエティにひっぱりだこだった頃のイメージのままという人は少ないはずだ。

 『おはスタ』(テレビ東京系)の中で英語コーナーを担当する“おはガール”だったベッキー。『おはスタ』卒業後も優等生キャラ、司会が上手いタレントとして、お茶の間人気があっただけに、2016年のある騒動の影響は強く、司会業からは退く形となった。

 逃げ出すこともできたはずだ。しかしベッキーは、芸能界に再び戻った。それが例えいばらの道だったとしてもその道を選んだのだ。

  そんなアウェー感、マイナスからの再スタートがベッキーを強くした。そこで見つけた「俳優」という道を進み続けている。

  その覚悟というのは、近年の出演作品の中でみせる演技からも伝わってくる。かつての『怪物くん 完全新作スペシャル!!』(日本テレビ系)や『エイトレンジャー』(2012年)などに出演した際の、タレントがドラマや映画に“顔出し”をしているような印象ではなく、明からに何かが吹っ切れたようでもあり、俳優として進む覚悟すら感じられるほどに、深みのある演技になってきているのだ。

『初恋』(c)2020「初恋」製作委員会

 復帰後に出演した映画『初恋』(2020年)やドラマ『くノ一忍法帖 蛍火』(テレビ東京系、『悪魔の弁護人・御子柴礼司 ~贖罪の奏鳴曲~』(フジテレビ系)などでみせた演技を見ても、タレントという印象ではなく、正に俳優といった印象を強く感じる。

  特に『初恋』でみせた怪演は、単に自虐というわけではなく、何かが吹っ切れたような清々しさすらあった。それでいて冷静さを感じながらも、内に秘めた情熱を同時に感じさせる。

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