『ちむどんどん』『家庭教師のトラコ』で安定感 鈴木保奈美、国民的恋人から令和の母親へ

鈴木保奈美、国民的恋人から令和の母親へ

 『35歳の少女』(2020年/日本テレビ系)では、25年も眠っていた時岡望美(柴咲コウ)を献身的に介護していた母親・多恵を熱演。望美が目覚めたあと、狂気すら感じる執着心で彼女を縛りつけていく……。32歳からグレイヘアとなった57歳の多恵を違和感なく演じきったのは記憶に新しいところだ。

 そのほかにも、『東京ラブストーリー』以来、織田裕二と月9共演で話題となった『SUITS/スーツ』(2018年、2020年/フジテレビ系)では、甲斐正午(織田裕二)の上司で法律事務所の所長・幸村チカを、2021年にNetflixで配信された『浅草キッド』では、タケシ(柳楽優弥)の師匠・深見千三郎(大泉洋)と対等にやりあう妻・麻里を演じるなど、いまや物語になくてはならない存在となっている。

『ちむどんどん』写真提供=NHK

 同世代のアイコンとして輝き続けている彼女が、等身大の女性を演じても違和感がないのは、プライベートでも三姉妹の母親だという点、視聴者と一緒に年齢を重ねてきたという歴史があるから。そして何より、どの作品、どの役もハマり役だったことは大きい。いや、自身のポテンシャルで、ハマり役に“引き寄せた”という言い方の方が正しいのかもしれない。それほど彼女には、役を魅力的に昇華させる力があると思う。

 90年代、国民的な恋人として憧れられていた彼女が、時を経て、今度は母親や上司となって物語を彩る立場に……。『ちむどんどん』や『家庭教師のトラコ』での怪演にも期待したい。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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