百田夏菜子×落合モトキ『僕の大好きな妻!』は発達障害の理解への足掛かりとなるか
調べると、発達障害には100人いれば100通りのパターンがあって、人それぞれ特性が違うらしい。だから、当事者にとっては「描き方が甘い」と感じる人もいるようで、SNSでもそんなコメントを見かけた。しかし、作者のナナトは自身のTwitterにて「当事者って、どうしても当事者ものの漫画やドラマを厳しく見てしまう気持ち、すごくよくわかるけど(私も心配になってそうなる)例えば描かれていない部分はだめ! じゃ無くて「僕が追加で説明します!」のようなsnsの使い方で応援していただけるととても心強い」(※)とつぶやいている。中には、すでに同様の応援をしている人もいる、とも付け加えられていた。
ドラマだからすべてを描き切れるわけではないし、10話前後で理解できる世界ではないというのも感じている。だが「発達障害」を耳にしたことがある程度だった人たちが、ドラマを通して知ることができた。100%当事者のことを理解できなくても、0.01%気持ちを感じることができた。この“目に見えない”前進はとても大きなことではないだろうか。当事者や関係者でもないのに、偉そうなことをつらつらと書いてしまったが、筆者も“知ることができた”1人である。
『僕の大好きな妻!』の放送は続く。これまでよりもさらに視聴者が増え、発達障害の理解を広める足がかりになると期待したい。
参考
※ https://mobile.twitter.com/nana_to_eri/status/1539563481024069633
■放送情報
『僕の大好きな妻!』
東海テレビ・フジテレビ系にて、毎週土曜23:40~24:35放送
出演:百田夏菜子(ももいろクローバーZ)、落合モトキほか
原作:ナナトエリ・亀山聡『僕の妻は発達障害』(新潮社『月刊コミックバンチ』連載中)
企画:市野直親(東海テレビ)
脚本:池谷雅生、畑中みゆきほか
演出:天野千尋、阿部雄一、倉木義典、畑中みゆき
プロデューサー:中頭千廣(東海テレビ)、松本圭右(東海テレビ)、浦井孝行(アップサイド)、小俣絵梨(アップサイド)
制作:東海テレビ、アップサイド
(c)東海テレビ