ディズニープラス急成長の代償? 『バズ・ライトイヤー』北米に続き日本でも鈍い出足

『バズ・ライトイヤー』日本でも鈍い出足

 『バズ・ライトイヤー』が不調なのは北米も同様。その背景として、この2年間、ディズニーがピクサー作品をことごとくディズニープラスでの配信公開に回してきたことで、ピクサーのブランド力の低下を指摘する声もある。しかし、何よりも大きいのはディズニープラスの加入者が順調に伸びていること、そして同サービスにおける劇場公開作品が45日後には配信公開される「45日ルール」が、消費者に認知されつつあることなのではないか。

 公開から45日といえば、ちょうどこの週末に『トップガン マーヴェリック』が迎える日数だ。まだまだロングランが期待される『トップガン マーヴェリック』に対して、ディズニー作品は(MCU作品であっても)大ヒット作になるためには必須であった「ロングランによる数字の上積み」という手段が事実上完全に断たれているのだ。

 熱心な映画ファンの中にも、これまで一般層が口にしがちだった「数年後にテレビで放送されるのを待つ」だとか「数ヶ月後にレンタルされるのを待つ」だとかの声には「そんなに待てるなら別に無理して見なくてもいいのでは?」と白けた気持ちになったとしても、「45日後に配信されるのを待つ」という声に関しては共感を覚える人も少なくないのではないか。もしこのような状況が続くようだったら、将来的にはパンデミック期という非常時に制定された「45日ルール」そのものが見直される可能性もあるかもしれない。

■公開情報
『バズ・ライトイヤー』
全国公開中
監督:アンガス・マクレーン
製作:ギャリン・サスマン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画興行分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる