『オールドルーキー』が描くスポーツとビジネスの相克 綾野剛と稲垣来泉が親子の感情体現
『オールドルーキー』(TBS系)第2話で、ビクトリー社長の高柳(反町隆史)は9歳のスケートボード選手・牧村ひかり(佐竹晃)の獲得に乗り出し、新町(綾野剛)と塔子(芳根京子)が交渉を任された。ひかりの父親でコーチの悠一(桂宮治)はマネジメント契約に難色を示し、新町と塔子を追い返す。その傍らには、ライバル会社「WPM」のスカウトマンであるコナーズ(村雨辰剛)の姿もあった。同じ頃、社員の梅屋敷(増田貴久)は、極度の不振に悩むプロゴルファーの高槻(竹財輝之助)の対応に悩んでいた。
アスリートの選手生命は短い。引退時に子どもが小さかったり、家のローンが残っている人も多く、第二の人生のスタートは困難を極める。何より難しいのは夢の後始末だ。夢を諦めるのは簡単なようで難しく、自分だけが諦めて済めばよいが、夢が大きいほど、それはすでに自分だけのものではなくなっている。多くの人は夢の残骸を記憶の底に沈めて、何事もなかったような顔で新しい一歩を踏み出す。そうすることが、応援してくれた人のためになると信じて。
長女の泉実(稲垣来泉)に「パパはずっとサッカー選手でいて」と泣きつかれた新町。あれ以来、泉実は口を聞いてくれず、次女の明紗(泉谷星奈)も姉に同調。新町は肩身の狭い思いをしながら、現役復帰に望みを託してトレーニングを続けていた。だが、サッカーへの愛情あるいは未練は隠しきれず、妻の果奈子(榮倉奈々)や同僚たちにいぶかしがられる。気持ちが揺れる中、娘を持つ父としてひかりの表情が気になる新町は9歳のスケートボーダーの元へ足を運ぶ。
国内トップレベルの実力を持ちながら、どこか楽しくなさそうなひかり。その理由は悠一の指導にあった。ひかりと同じ目線で話を聞くうち、新町はひかりの本音を聞き出すことに成功。ひかりは国境や勝ち負けを超えたスケートボードの自由さに惹かれ、世界への挑戦を望んでいた。あえて厳しい指導をする悠一の本心は、娘を手元に置いておくことで、それを自覚した悠一は新町の提案を受け入れる。