吉田鋼太郎はいつから“ゆるふわ”だった? 転機となった『花子とアン』と『おっさんずラブ』

吉田鋼太郎はいつから“ゆるふわ”だった?

 まさか吉田自身も、50代になって若い人たちから「可愛い」と言われるなんて思ってもみなかっただろう。以降も『今日から俺は!!』(日本テレビ系)や、映画『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』などで、哀愁漂う憎めない親父たちを演じ、近年まで続く「おじさん=癒やされる」という文化の先駆けとなった吉田。でもきっと、私たちが彼らに癒されるのは単に行動が可愛いというだけではない。『おっさんずラブ』で演じた黒澤も、時には春田を厳しく叱るなど理想の上司ぶりを見せていたが、いざとなった時に頼り甲斐のある姿勢を発揮してくれるからだ。

 今回演じる監察官の一条もとにかくミーハーで、ちょっと古めなJK用語も乱発するなど、最初はまりあもドン引きのおじさんとして登場。さらに監察官は同じ警察官の不祥事を内偵する、疑ってなんぼの職業だが、その中でも一条は「世の中に悪い人なんていない」という性善説を掲げる異色の存在だ。しかし、二人で捜査を進めるうちに彼の人や物事の本質を見抜く才能が明らかになっていく。普段はほのぼのとしているが、然るべき場で威厳を示す。まさに俳優・吉田鋼太郎にぴったりの役柄といえるだろう。今回初共演となる吉岡里帆との名バディ誕生となるか。1日限りのスペシャルドラマ『監察の一条さん』をお見逃しなく。

■放送情報
『監察の一条さん』
テレビ朝日系にて、6月29日(水)20:00~21:48放送
出演:吉田鋼太郎、吉岡里帆ほか
脚本:森ハヤシ
監督:神徳幸治
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子
プロデューサー: 貴島彩理、和佐野健一、井元隆佑
音楽:fox capture plan
制作:テレビ朝日、東映
(c)テレビ朝日

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