『ゆるキャン△』作画変更にみる“原作リスペクト”の姿勢 より強まった聖地巡礼の魅力

『ゆるキャン△』作画変更を考える

 昨今のアウトドアブームを後押しした『ゆるキャン△』は、“キャンプ”を通して描く女子高生の日常が男女共に評判を呼び、人気の作品だ。その名の通り本作は、ゆったりとしたテンポのアニメーションではあるが、女子高生たちによるコミカルな会話劇と本格的なキャンプ描写のギャップが話題性を呼び、支持されている。

 しかし、6月20日に最終回を迎えたアニメ『ゆるキャン△ SEASON3』には少し違和感を覚えたというファンもいたのではないだろうか。それは第3期からは制作会社が変更になり、キャラクターデザインが変化していたためだ。

“原作を大切にする”姿勢から生まれた第3期の作画

 数多くのアニメが制作されている現在、制作会社の変更によるキャラデザの変化は珍しいことではない。だが、第1期、第2期、劇場版を担当したC-Stationからエイトビットへと移ったことにより、変化した作画への賛否が生まれたのも事実だ。

 では、何を基準にして第3期の作画は作られたのか。『ゆるキャン△ SEASON3』で監督を務めた登坂晋は、「“原作の魅力を実直に丁寧に描く”という部分に挑戦していきたいと思っています」「またキャラクターデザインがこれまでのシリーズと変わっていることにお気付きかと思いますが、『SEASON3』で描く予定の原作漫画のテイストを取り入れたものにしています」と語っていた。(※1)第3期のビジュアルは、“原作を大切にする”姿勢から生まれたものだったのだ。

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