『ちむどんどん』暢子が“自分らしさ”を知る “慰霊の日”に込められた平和へのメッセージ

『ちむどんどん』暢子が“自分らしさ”を知る

 女だからと舐められないように、横暴な態度でスタッフに接するようになったシェフ代行の暢子(黒島結菜)。厨房の雰囲気はますます悪くなり、頭を悩ませる暢子に三郎(片岡鶴太郎)は「ポークと卵みたいなもんだよ」とアドバイスを送る。『ちむどんどん』(NHK総合)第54話では、暢子がその言葉の真意をつかんだ。

 自分はシェフとして何が足りないのか、どうしてみんなに信頼されないのか。答えを見つけるために骨折で入院している二ツ橋(高嶋政伸)のもとを訪れた暢子は、そこで彼が自分をシェフ代行に推薦してくれたことを知る。当初、オーナーの房子(原田美枝子)はスタッフの中で一番年下で、女性で、さらに自分の親戚である暢子を選ぶことに難色を示していた。きっとみんなが納得するはずがないと分かっていたからだろう。

 しかし、二ツ橋は「コネも理屈も関係ない。実力とやる気が全て」という房子の持論に習い、技術とセンスがある暢子に自分の代わりを託したのだ。

「大事なのはあなたらしさ。あなたの良いところを忘れずに仕事してください」

 ポークと卵みたいに、男だとか女だとか関係なく、それぞれが自分の持ち味を発揮することが大事。周囲の人から次々に同じ真意を持ったアドバイスを送られた暢子だったが、いまいちスッキリしない。肝心の“自分らしさ”が分からないからだ。

 そんな暢子が最終的に頼ったのは、一番の理解者である母の優子(仲間由紀恵)だった。暢子は公衆電話をかけ、優子に自分の良いところを尋ねる。元気なところ、足が速いところ、なんでも美味しく食べるところ……10円を入れる度に自分の長所を教えてくれる優子だったが、やっぱりピンとこない。そうこうしているうちに手持ちの小銭がなくなり、困り果てた暢子を三郎が密かにみていた。彼は居酒屋の客から大量の10円玉を集め、暢子に渡す。おかげで暢子は「ありがとう」と「ごめんなさい」が言える最も重要な“自分らしさ”を知ることができた。

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