米ワーナー、『The Flash』公開後に不祥事続きのエズラ・ミラーを切る意向か

米ワーナー、エズラ・ミラーを切る意向か

 『ファンタスティック・ビースト』シリーズや、DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)の映画『ジャスティス・リーグ』(2017年)などの出演で知られるエズラ・ミラーが立て続けに不祥事を起こしている。その事態を踏まえ、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、ミラーが主演を務めるDC映画『The Flash(原題)』の公開後、彼を再起用する意向はないようだ。米Deadlineが報じている。

 ミラーは、2022年3月と4月にハワイで第二級暴行罪の容疑で逮捕され、DCEUへの続投や『The Flash』からの離脱が懸念されていたが、5月にスタジオはミラーの降板を検討していないとの情報が伝えられていた。

 ところが、6月に入ってわずか2週間の間に、ミラーは2人の未成年者の親から訴えを起こされる事態となっている。今月上旬には、トカタ・アイアン・アイズという18歳の少女の両親が、当時12歳だった少女をミラーが操り洗脳したとし、俳優から保護を求める訴状を裁判所に提出。しかし、トカタさん自身は両親の訴えを否定しており、ミラーを擁護している。別の件では、米マサチューセッツ州グリーンフィールドに暮らす12歳の子どもの母親が、ミラーに対して一時的なハラスメント防止命令を求めたと報じられている。

 5月の時点でワーナー・ブラザースの幹部は、『The Flash』が米国公開される2023年6月23日までに、ミラーのスキャンダルが収まることを願っていたようだ。また報道によると、スタジオはミラーに助けの手を差し伸べようとしたが、度重なる不祥事を受け、主演俳優の将来を再検討せざるを得ない立場に追い込まれているとのこと。

 ワーナー・ブラザース・ディスカバリーでCEOに就任したデヴィッド・ザスラフは、ミラーについて複数の選択肢を用意しているという。『The Flash』の宣伝ツアーは行わず、プロモーションを控えてミラーを表に出さない計画や、映画を劇場公開せず、ワーナー傘下の米HBO Maxで配信する案もあるようだ。もしくは映画をヒットさせることに努め、事態を収拾できなかった場合は、ミラーを降板させる選択肢もあり得ると伝えられている。一方で、これ以上問題が表面化しないとしても、スタジオは今後のDC映画でミラーをフラッシュ役で起用し続けることはないとの情報もある。いずれにしろ、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーにおけるミラーの立場が危ういことは間違いないだろう。

 もし、『The Flash』の公開後にワーナー・ブラザース・ディスカバリーがミラーとの縁を切ることになったら、DCEUでミラー演じるフラッシュ/バリー・アレンがリキャストされるのか、将来的にどのような運命を辿ることになるのか気になるところ。

 ワーナー・ブラザースとディスカバリーの合併でスタジオ幹部が入れ替わったことを機に、DCEUに大きな変化が起こりつつある。スタジオはDCEUのリブートを計画していると見られ、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長のような存在として、『ジョーカー』(2019年)のトッド・フィリップス監督をアドバイザーに迎えることを検討しているとの報道もあった。よって、その大きな変革に伴い、ミラーだけでなくDCEUの未来も危うくなる可能性があるかもしれない。今後、どのような経過を辿るのか新情報に注目しておきたい。

参照

https://deadline.com/2022/06/ezra-miller-the-flash-fate-warner-bros-discovery-david-zaslav-1235048001/
https://screenrant.com/flash-dceu-movie-future-ezra-miller-recast-update/
https://www.cbr.com/the-flash-warner-bros-ezra-miller-no-future-plans-dc/

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