クリス・ヘムズワース、『マイティ・ソー』第2作に失望 「飽きてしまった」と心境を吐露
『ソー:ラブ&サンダー』は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の単独シリーズで初となる第4作として公開される。その続編に主演でカムバックするクリス・ヘムズワースはMCUの大ベテラン的な存在となったが、シリーズ第2作『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年/以下『ダークワールド』)の時点で、ソーを演じることに葛藤が生じていたようだ。
アラン・テイラーがメガホンを取った『ダーク・ワールド』は評価が振るわず、第3作が製作されない可能性が懸念されていたが、ニュージーランド出身で当時はハリウッドで知名度が低かったタイカ・ワイティティが監督として第3作『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年/以下『バトルロイヤル』)に就任。ヴァンパイアコメディ映画『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』(2014年)などを手がけ、コメディ作品を得意とするワイティティがシリーズに新風を吹き込み、「『マイティ・ソー』をリブートした」とまで言われるほどの立役者となった。
そんなシリーズの変遷と自身が演じるキャラクターを振り返ったヘムズワースが、Vanity Fairのインタビューで『ダーク・ワールド』に対する不満を打ち明けている。
「『マイティ・ソー』第2作でしたことにワクワクしなかったし、自分の演技に失望してしまったんです。キャラクターを成長させることができたとは思えなかったし、観客に何か意外性や違いを見せられたとは思えませんでした。その後に『バトルロイヤル』が製作されることになり、自分の仕事に対する不満から──これは他の監督や誰のせいでもなく、自分の演技が問題なのですが──、そこで僕はタイカにこう伝えたんです。僕が“ソーに飽きてしまった”と言うと、彼が“そうか、僕もソーには飽きたよ”と答えて、僕たちの会話はそんな感じでした。こうして僕たちは飽きないようにしようと決めて、飽きを感じたら、いつでも違う方向へ進むことにしたんです」
『ダーク・ワールド』とはまるで違うトーン&テイストとなった『バトルロイヤル』は、ワイティティ監督とヘムズワースの二人三脚により実現したようで、へムズワースは、いかにソーをユーモア溢れるキャラクターに変えていったかも説明している。
「そうやって、僕たちはキャラクターを解体していきました。もう少しソーを予測不可能な存在にしたかったし、これまでとは違う状況に置いて、かつユーモアのある人物にしたかったんです。タイカとは素晴らしい関係を築いたし、お互いに素晴らしいユーモアのセンスでからかい合っていました。そういう感覚を入れていき、タイカ扮するコーグというキャラクターもいたし、多くは彼と僕の即興で、お互いに自分たちに忠実なバージョンを演じたんです」
こうして、前作とは大きくコンセプトを変更した『バトルロイヤル』は高い評価を得て、ワイティティはハリウッドで一躍注目の監督となった。『ソー:ラブ&サンダー』でも、ヘムズワースとワイティティ監督による抜群のチームワークが続くこととなり、2人が見せてくれる新たな世界観に期待したい。
参照
https://www.youtube.com/watch?v=laJBPb4RXNk
https://screenrant.com/thor-ragnarok-chris-hemsworth-role-mcu-response/
https://comicbook.com/marvel/news/chris-hemsworth-says-he-was-bored-of-thor-before-ragnarok/