マーベルにも勝った『トップガン マーヴェリック』　それでも「映画の未来」は変わらない!?

　『ソー：ラブ＆サンダー』の公開も直前に控えたクリス・ヘムズワース主演、『トップガン マーヴェリック』のルースター役を好演していたマイルズ・テラー（ジェセフ・コシンスキー作品の常連）共演の『スパイダーヘッド』は、ジェセフ・コシンスキー監督が『トップガン マーヴェリック』の次に撮り上げたSFスリラーの長編作品。『トップガン マーヴェリック』の公開が再三延期されたこともあるが、世界的大ヒット中の作品を手がけた監督の新作が、その公開中に配信公開されるというのはなかなか珍しい事態だ。

　先週、そのジョセフ・コシンスキーの『スパイダーヘッド』に続く、F1レースの世界を描く新作映画の独占契約を、Apple TV+が結んだというニュースが報じられた（※）。同作の主演を務めるブラッド・ピットは、新人レーサーを鍛えてレースに挑む中年の元F1レーサーの役。つい最近もどこかで観たような話だが、同作の脚本には『トップガン マーヴェリック』のアーレン・クルーガーも参加、そしてプロデューサーを務めるのも『トップガン マーヴェリック』のジェリー・ブラッカイマーだ。

　つまり、どんなに『トップガン マーヴェリック』ほどの特大ヒットを飛ばそうとも、その監督の次作も、さらにその次々作も、スクリーンで全世界公開される作品ではなく、ストリーミングサービスのための作品なのだ。そして、スーパーヒーロー作品でもシリーズ作品でもない「普通の映画」の未来は、クリス・ヘムワーズやブラッド・ピットのようなスターの主演作でも、ジェリー・ブラッカイマーのような大物プロデューサーの作品でも、もはや変えようがないということだ。

参考

※ https://deadline.com/2022/06/apple-confirms-deal-for-brad-pitt-formula-one-film-from-top-gun-helmer-1234887487/

■配信情報
『スパイダーヘッド』
Netflixにて、6月17日（金）配信
監督：ジョセフ・コシンスキー
脚本：レット・リース、ポール・ワーニック
出演：クリス・ヘムズワース、マイルズ・テラー、ジャーニー・スモレット、