秀逸な人類への皮肉に大笑い『ラブ、デス&ロボット』 “SFならでは”な吹き替えも魅力

『ラブ、デス&ロボット』人類への皮肉が魅力

 Netflixオリジナル短編アニメーション作品『ラブ、デス&ロボット』の最新シーズンであるシーズン3が、5月20日から配信開始された。本作は2019年3月15日からシーズン1が公開されているシリーズ作品であり、短編アニメがアンソロジー形式でまとめられている。

 アニメ制作会社は各話によって異なり、アメリカやイギリス、スペインや韓国など海外の3DCG・アニメーション制作会社が多く参加している。シーズン3では初めて日本の制作会社「ポリゴン・ピクチュアズ」が参加しているのも見どころの1つだ。

 本作はタイトル通り、愛、または恋愛と死、ロボットやSFなどをメインテーマに、各話異なった作風とストーリーを展開。シーズン3までで合計35話公開されているが、それぞれの話に繋がりが一切ないため徹夜して一気見する必要もなく、飽きることなく視聴できる。また、各話数の固定が存在せず(1話、2話などに分けられていない)、アカウントによって再生される話の順番が異なるのも面白い点だ(筆者は久しぶりにシーズン1を見返そうと思ったら、記憶の中の順番と異なり混乱した)。

 シーズン3ではシーズン1で描かれた登場キャラクターやテーマなどを引き継いでいる話も存在し、実質続編のような立ち位置にもなっているが、同じキャラクターとテーマというだけでストーリーに繋がりはないため、たとえシーズン3から観始めてもなんら問題はない。

 『ラブ、デス&ロボット』で筆者が1番気に入っている話は、シーズン1・3で観られる「ロボット・トリオ:出口戦略」というエピソードだ。本エピソードには3体のロボットが登場するが、各ロボットの日本語吹き替えキャストは『新世紀エヴァンゲリオン』で渚カヲルを演じた石田彰、『攻殻機動隊』で草薙素子を演じた田中敦子、『マクロス7』で熱気バサラを演じた神奈延年が参加。社会現象を巻き起こし、現在も新たなシリーズなどが制作されているSFアニメ作品で主要キャストを演じている声優たちだ。本エピソードは、人類が滅びた地球をロボットたちが人類の生活を辿りながら放浪する話なので、その適役っぷりが分かるだろう。ストーリー設定と吹き替えキャストだけで、往年のアニメファンは観るべき作品だと言える。

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