『マイファミリー』藤間爽子、鈴間が“怪しまれないように”気をつけたこと
犯人の正体に沸いた『マイファミリー』(TBS系)第7話からようやく1週間。東堂(濱田岳)の自白、そしてハルカナ・オンライン・ゲームズ社員の鈴間(藤間爽子)が“共犯者”として、これまでの誘拐事件に関わっていたことが明らかに。第8話では、東堂と鈴間の関係性が焦点になってくるのは間違いないだろう。
今回、リアルサウンド映画部では、本作の“重要人物”である鈴間を演じる藤間爽子にインタビュー。鈴間とは一体どういう人物なのか、「あまり怪しまれるようには演じないでほしい」というオーダーをどのように演じてきたのか、探っていく。(編集部)
“怪しまれないように”というオーダーに……
――鈴間が誘拐事件に関わっているという衝撃の事実が発覚しましたが、前半はハルカナ・オンライン・ゲームズの一社員というポジションでした。どんな気持ちで役を演じていましたか?
藤間爽子(以下、藤間):出番はそれほど多くないとはいえ、あまりにも普通に演じてしまうと印象に残らないな、とは思っていました。監督からは「あまり怪しまれるようには演じないでほしい」と言われていましたが、その中で「あの人誰なんだろう?」と思わせたいという気持ちもあって。ハルカナに勤めているときのキャラクターは、自分でいろいろと考えながら作っていました。
――鈴間の性格面については、どのように考えていますか?
藤間:実は最初、私はもっと普通の女の子をイメージして現場に行ったんです。でも、デスクを見たら相当荒れていて(笑)。そのときに「この子は物が片付けられない子なのかな」と感じて、服装もずーっと同じパーカーを着ているし、ちょっとガサツというか、仕事はできるけど少し抜けてる部分もあるのかなと。(高橋)メアリージュンさん演じるキラキラしていて綺麗な副社長とは対照的というか、人間味あふれるキャラクターなのかなと思ったので、メガネのかけ方とかも工夫してみました。
――ご自身でイメージしていたキャラクターと、現場に入ってからの印象に差があったわけですね。
藤間:そうなんです。カチカチに作り込んで行くと、そういうときにサッと変えられないなと感じたので、なるべく作り込みすぎないで現場に向かうようにはしていました。
――物語は最終章に突入しましたが、いつもどのような思いで映像をご覧になっていますか?
藤間:完パケ(=編集が終わり、放送できる状態の映像)をいただいたら、最低でも2回は観るようにしています。まずは台本を見ながら映像を観て、「この人はどういうふうにセリフを言うのかな」とか「ここでちょっと間を空けるんだ」とか「この言葉を立てるんだ」とか。すごく勉強になるなと思いながら観ています。
――テキストを開いて、答え合わせをするような。
藤間:それが正しい見方かどうかはわからないんですけどね(笑)。でも、まずはそうやって観てみて、放送のときにはそれを外して、もう一回普通に観るようにしています。
目の奥に訴えかけられた
――なかでも、“このお芝居に惹き込まれた”というシーンはありますか?
藤間:やっぱり先週放送された、東堂が誘拐していることがわかったときの二宮(和也)さんの表情です。セリフはないんですけど、目の奥に訴えかけるものがあって。すごく素敵な顔をされるな、と思いながら見ていました。
――現場での二宮さんの印象についても聞かせてください。
藤間:二宮さんはアイドルだったり、バラエティーだったりのキラキラした一面と、役者としての一面というふたつの顔があって、どちらも共通して“飾らない、ナチュラルな方だな”というイメージを持っていました。実際にお会いしても本当に飾らないというか、連日撮影で疲れているはずなのに、私にも「おはよう」と声をかけてくださったり、いろんな人と楽しそうにお喋りしている姿が印象的で。緊迫したシーンが多い中でも、撮影の裏に穏やかな雰囲気があるのは、きっと二宮さんがそうしてくださっているのかなと思っています。
――すごくフランクに話しかけてくれるんですね。
藤間:そうですね。この間は、「誘拐してたの!? 鈴間さーん!」と言われました(笑)。あとは、私が黒尽くめの格好をしていたので、それを見て笑っていました。「いかにも犯人じゃん!」って。
――たしかに、犯人らしい犯人でしたね(笑)。阿久津役の松本幸四郎さんとは、日本舞踊のお仕事でもご一緒されているかと思います。
藤間:たまたま現場でお会いすることがあったので、ご挨拶に行こうと思ったら幸四郎さんの方からパーッと来てくださって、まず指を差されて「悪い人だー!」と言われました(笑)。日本舞踊の公演でご一緒することはあったんですけど、こういう現場でお会いするのは初めてだったので、少し新鮮というか、ちょっとホッとしたような気持ちになりました。